2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300297
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University, |
Principal Investigator |
山崎 晴雄 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70260784)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 信治 長崎大学, 教育学部, 助教授 (80244028)
山縣 耕太郎 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80239855)
須貝 俊彦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (90251321)
水野 清秀 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 主任研究員 (20358097)
植木 岳雪 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 研究員 (40371025)
|
Keywords | テフロクロノロジー / 古地理復元 / 鮮新世テフラ / 高精度編年 / 鮮新・更新統 / テフラの広域対比 / 地形発達史 / 環境変化復元 |
Research Abstract |
本研究では分担者が日本各地の鮮新・更新統盆地堆積物を地質調査し、その中に挟まれるガラス質火山灰層の光学的性質(屈折率)や化学成分(主成分及び微量成分)を詳しく検討して、地層の同定・対比・編年を行った。これにより、鮮新・更新世において巨大火山噴火によって日本列島全域を覆うような火山灰降下が多数(10枚以上)確認され、その時期や分布が明らかになり、同一火山灰の分布に基づいて一部の地域ではあるが古地理の変遷が明らかになった。平成18年度は3年間の研究のとりまとめの時期であり、各地域での調査を継続し、広域火山灰の同定・対比、古地理の復元を進めると伴に、成果報告書の作成も行った。18年度の主な成果は以下のとおりである。 1.中部九州起源で前期更新世(1.3Ma)の敷戸-イエロー1テフラの存在が明らかになった。これは関東地方においても分布が認められ、その特徴が詳細に記載された。 2.関東平野の地下地質がボーリングコア中に含まれる広域火山灰の対比により明らかにされ、これまで岩相などを基に異なる名称で呼ばれていた平野下の地層が、房総半島や多感丘陵に分布する上総層群と精密に対比できた。これにより関東平野の盆状の地下構造がより明確に識別され、また、KMT(上宝テフラ)などの分布を基に、中期更新世の関東平野の古地理が復元された。 3.約2.5Maに丹沢で噴火したと思われる特徴的にざくろ石を含むテフラが南関東の中津層と上総層群下部の銚子、名洗層中に見つかり、同一層と認められた。これにより、中津層は上総層群最下部であることが分かり、また、関東南部に2.5Maの等時間線が引けた。 4.関東平野北部の深谷断層や綾瀬川断層の存在と構造が、ボーリングコア中のテフラを同定・対比することによって明らかになった。 5.3年間研究をとりまとめ報告書を作成した。この中にはオリジナル論文8編と、本研究に関連して各種雑誌等に公表した論文11編を収録した。
|
Research Products
(6 results)