2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミニチュア拡散スクラバーとLEDを組合せた大気汚染ガスの自動連続測定装置の開発
Project/Area Number |
16310013
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 茂 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10137987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 知明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30348809)
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Keywords | ミニチュア拡散スクラバー / LED比色計 / 大気汚染ガス / 自動連続測定装置 / 二酸化窒素 / オゾン |
Research Abstract |
近年、室内・室外を問わず大気環境の汚染が問題となっている。これに伴い、こうした大気汚染ガスの濃度をモニタリングする装置が多くの研究者によって開発、実用化されてきた。しかし、ここで用いられている装置は1台数百万円と高価かつ大型であり、現場で簡便に測定するには適していない。 本研究では、拡散スクラバーを小型かつ簡単な構造にしたミニチュア拡散スクラバーを開発した。この捕集装置を用いることでわずか1ml程度の吸収液に大気汚染ガスを捕集できる。従って、従来では分析感度が低く使用されなかった比色分析法を使用することが可能となり、安価に製造することができるLED(発光ダイオード)比色計を組み合わせた簡便な大気汚染ガス自動連続測定装置を開発した。 ミニチュア拡散スクラバーは、PPTFE(多孔質テフロンチューブ)による内管とポリカーボネイトもしくはガラスの外管とからなる単純な二重管構造からなる。PPTFEは、気体は通過するが液体は通過できない特性を有する。従って、吸収液を内管であるPPTFE内に満たし、外管と内管の間に空気を通気させることでガス成分のみを選択的に捕集することができる。LED比色計には、光源としてLED、受光部としてPD(フォトダイオード)を用いる。発光ダイオードにより放出された光は測定セルを通り、透過した光をフォトダイオードで電圧の変化として検出する。LEDは非常に安価であり、発光の波長範囲が狭いため、特に分光器を必要としない利点を持つ。 本研究ではミニチュア拡散スクラバーそのものにLEDの光源およびPDの受光部をセットし、PPTFE内の吸収液の吸光度を直接測定することを検討した。ガス交換のできるPPTFEの測定セルを作ることで、大気汚染ガスの捕集と試料の吸光度の測定を同時に行うことができる。本装置により、大気中二酸化窒素及び光化学オキシダントの50分間平均濃度をppbレベルで自動連続的にそれぞれ測定することができる。実際に、大気中二酸化窒素濃度及び光化学オキシダント濃度を本装置と公定法の化学発光法窒素酸化物計、紫外線吸収法オゾン計でそれぞれ測定した結果、両者による測定値には良好な一致が認められた。
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Research Products
(2 results)