2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16310024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 憲二 静岡大学, 理学部, 教授 (70169499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 浩之 静岡大学, 理学部, 助手 (30377717)
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Keywords | 海水温上昇 / 細菌 / FISH法 / 群集構造 / ガンマ・プロテオバクテリア / ビブリオ・コレラ |
Research Abstract |
本研究は、地球温暖化が海洋生態系に及ぼす影響を、とくに生態系の基盤を構成して物質循環の主要な担い手となる細菌の群集構造の変化に着目して、分子生物学的な手法と生態学的解析によって明らかにしようとするものである。平成16年度は、本州中部の駿河湾を中心に研究を進めた。 Fluorescence in situ hybridization(FISH)法により現場の細菌群集の構造解析と、環境因子との関連についてデータ蓄積を開始した。その結果、水温と、各細菌グループとの間には相関が見いだせなかったが、溶存態有機炭素濃度(DOC)と、全細菌数ドメイン・バクテリアならびにgamma-Proteobacteriaが正の相関があることが明らかになった。又、生態系の一次生産者である、植物プランクトン密度と、全細菌数、ドメイン・バクテリアならびにガンマ・プロテオバクテリアは正の相関を示した。 擬似現場培養法による、細菌の増殖活性に与える温度効果については、ガンマ・プロテオバクテリアが5℃あるいは10℃の温度上に対して増殖速度度大きくする傾向がることが明らかになりつつある。 本研究で特にターゲットとするコレラ菌(Vibrio cholera)については、FISH法による定量観察が容易ではなく、プローブ並びに手法の改良を続けている。
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