2007 Fiscal Year Annual Research Report
途上国における温暖化対策と持続可能な発展-「京都」以後の国際制度設計をめざして
Project/Area Number |
16310025
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
高村 ゆかり Ryukoku University, 法学部, 教授 (70303518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新澤 秀則 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (40172605)
大島 堅一 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (00295437)
林 宰司 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (20347248)
亀山 康子 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (10250101)
橋本 征二 国立環境研究所, 循環型社会・廃棄物研究センター, 主任研究員 (30353543)
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Keywords | (地球)温暖化 / 国際制度 / 京都議定書 / (発展)途上国 / 持続可能な開発(発展) |
Research Abstract |
平成19年度は、第1に、平成16年度、平成17年度、平成18年度に引き続き、京都議定書の国際制度の評価と課題の分析を行い、その分析をふまえて、途上国の温暖化対箪と持続可能な発展を支える中長期的な国際制度設計を規定しうる要因の分析を進めた。国際制度の設計を規定しうる要因の中でも、途上国の温暖化防止努力を引き出す国際制度案として現実性を帯びてきている提案(持続可能な発展政策と措置(SD-PAMs)提案、セクター別アプローチなど)に焦点を置いて詳細な検討を行った。第2に、平成16年度、平成17年度、平成18年度に引き続き、国際制度に関する諸提案の分類、分析をさらに進めた。とりわけ、本格化してきた国際交渉の動向に照らして、長期目標、削減の約束、市場メカニズム、遵守制度に焦点を当てて、それらにかかわる諸提案について、法学、経済学の理論的観点と政策的インプリケーションという観点から分析と評価を行った。特に、市場メカニズムは、費用対効果の高い方法での削減を可能にする手法としてだけでなく、温室効果ガスの排出の費用を明確にし、温室効果ガス削減に価格をつけることにより、削減技術の市場価値を高め、削減技術の開発、普及のインセンティヴを与える手法として評価されており、さらに、温暖化対策を支援する投資・資金のフローを生み出す機能にも大きな注目が集まる。市場メカニズムの導入が国際制度の大枠を規定する一方で、国際的な市場メカニズムの導入がはらむ問題への対処も不可欠である。 これらの研究成果は、下記のような多数の出版物において公表している。また、亀山康子と高村ゆかりで、これらの検討をふまえて、2013年以降の国際的枠組みの主要な制度要素のあるべき(ありうる)形について論じたディスカッションペーパ「気候変動問題への対処を目的とした次期国際枠組みに関する一考察」をまとめた。
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Research Products
(31 results)