2006 Fiscal Year Annual Research Report
黄砂の肺毒性、アレルギー増悪、酸化的DNA傷害、内分泌撹乱の影響評価に関する研究
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16310030
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| Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences (OUNHS) |
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Principal Investigator |
市瀬 孝道 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50124334)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 成一 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (40360060)
定金 香里 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20322381)
平工 雄介 三重大学, 医学部・衛生学教室, 講師 (30324510)
高野 裕久 国立環境研究所, 病態生理研究, 領域長 (60281698)
西川 雅高 国立環境研究所, 環境分析化学, 室長 (80228171)
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| Keywords | 黄砂 / 肺毒性 / アレルギー / 気管支喘息 / アレルギー性鼻炎 / 酸化的DNA損傷 / 8-oxo-dG / 環境ホルモン |
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| Research Abstract |
1.培養細胞系を用いて黄砂の活性酸素生成によるDNA傷害
培養細胞を用いて黄砂や種々の実験的粒子(SiO_2,Al_2O_3)による8-ニトログアニン(8-nitroG)と8-オキソデオキシグアノシン(8-oxodG)生成量を調べた。その結果、SiO_2に8-nitroGの増加が見られたごとから、黄砂中のSiO_2が活性酸素を生成してDNA傷害を引き起している可能性を示唆した。
2.抗原特異的・抗体産生に及ぼす黄砂の影響評価
抗原(OVA:卵白アルブミン)特異的-IgE, IgGl産生に対する黄砂のアジュバント作用を経時的に調べた。その結果、黄砂+OVA群ではOVA単独群よりOVA特的-IgE抗体やIgGl抗体産生が増加したことから、黄砂には抗体産生を高める作用があることが明らかになった。
3.黄砂の生殖系及び内分泌系への影響
Invitroの実験では、マウス精巣ライディッヒ細胞株(TM3細胞)に黄砂を処理し、内分泌かく乱作用の指標である、エストロゲンレセプター(ER)mRNAおよびCYPlAl mRNA発現量を測定した。黄砂処理により、CYPlAl mRNA発現の誘導が認められ、黄砂はAhレセプターを介した内分泌かく乱作用を有していることが示唆された。また、ERmRNA発現の誘導も認められた。今後、ERmRNA発現誘導の意義を解明する必要がある。In vivo実験では、5週齢のBALB/c系の雄性マウスを用い、黄砂0.3mgを2週間毎に10回点鼻投与した。黄砂暴露終了後、心臓採血屠殺し、精巣及び精巣上体を摘出した。体重、精巣重量、精巣上体重量の測定、精巣病理解析及び一日精子産生能の測定を行った。その結果、体重、精巣、精巣上体重量に変動は認められなかったが一日精子産生能の低下及び、精巣組織像の解析から精巣間質性水腫の発症が認められた。これらのことから、黄砂は雄性生殖系へ影響を及ぼす可能性を有している。
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