Research Abstract |
千浦は,広宿主域遺伝子伝達粒子(VP)の薬剤耐性伝達,プラスミド伝達に加えて細胞質性蛋白質が該粒子により伝達出来るかを検討し,何れについてもpositiveな結果を得,国内外の学会等で発表した.また,Aquifex sp由来ST-VPにより得られた形質導入大腸菌株(ST-E-trans)生産粒子(STEVP)が広宿主域を発現する原因究明の為,該粒子を酵素としてpeptidase/proteinase, glycosidase活性の有無を検討し,それぞれ1.05punit/粒子;51.1funit/粒子(1unit:1μmole turnover/min at 30℃)のmultifunctionalな機能を粒子に確認した. Ridgeは,土壌環境でのVP検索のため,昨年に引き続き窒素固定細菌(sago2)株から得た広宿主域遺伝子伝達粒子(SG-VLP)を受容大腸菌をE.coli DH5aからE.coli JE6937に替え感染させたところ,ca 10^<-8> transductant/particle頻度で継代可能な窒素固定能獲得大腸菌株の獲得を確認出来た. 河原林は,ウイルス様粒子内DNAのクローニング手法の予備検討として,高温土壌環境から回収したDNAを用いたライブラリー構築効率検討を進め,その結果,ライブラリー構築は可能であった.また,ウイルス様粒子ゲノム塩基配列決定以降に必要な検出遺伝子発現のモデル系として,超好熱古細菌ゲノムや高温環境中からの検出遺伝子領域の大腸菌内発現を検討し,耐熱性可溶性タンパク質数種の獲得と,その数種の機能を明らかに出来た. 久留主は,GroELアミノ酸配列について,枯草菌groELを用いて,基質やGroESを正常結合不可能だが放出不能となったsingle-ring mutant GroELを構築し,GroES-GroEL複合体にトラップされたタンパク質中から,大腸菌・枯草菌GroE間で異なる基質を同定し,さらに,基質蛋白質とGroE(大腸菌と枯草菌由来)の結合能等を生化学的手法により解析したところ,細菌間で構造の異なるタンパクが基質として同定でき,GroEの基質多様性が示唆された. 杉立は,硫酸還元菌の嫌気培養条件を検討し,粒子生産を確認した.
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