2005 Fiscal Year Annual Research Report
修復遺伝子ノックアウトによる放射線DNA損傷応答および突然変異誘発機構の解明
Project/Area Number |
16310035
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
田内 広 茨城大学, 理学部, 教授 (70216597)
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Keywords | 遺伝子ノックアウト / 放射線影響 / DNA損傷修復 / 突然変異誘発 |
Research Abstract |
放射線に照射された細胞内にはDNA二重鎖切断(DSB)が生じる。DSBの修復機構には、大きく1分けて非相同末端結合と相同組換えの2つが存在し、細胞周期によってこの2つを使い分けることでゲノム安定性が保たれているが、それらの機構とDNA修復精度、さらにはDNA損傷に起因する遺伝子変異などとの関連は未解明のままである。本研究では、これら2つのDSB修復系路に関わるタンパク機能を、修復精度という新たな視点から解明する。本年度は、引き続きニワトリDT40細胞を用いたHprt遺伝子突然変異誘発実験系の開発を続けた。DT40細胞は遺伝子ノックアウトが容易で、遺伝子機能の解析には大変有用な細胞であるが、この細胞のHprt遺伝子は常染色体上に存在するためHprtヘテロ細胞を作成して研究に用いることが考えられる。しかし、DT40細胞では6-チオグアニン耐性によって選択されたHprt欠損突然変異体の中に本質的な変異体ではない細胞クローンがマウスやヒト細胞の場合よりはるかに多く現れるため、DT40細胞のHprt遺伝子を完全にノックアウトし、その細胞にHprtが正常なヒトX染色体を導入したハイブリッド細胞を作成して突然変異検出系を構築する計画を進めている。昨年度は通常のノックアウト方法での作成を進めていたが、ノックアウトに使用するマーカーを節約できる系に改良・変更することにし、Cre-loxPシステムを使用したHprtターゲティングコンストラクトを作り直して、再度Hprtノックアウト細胞作成からやり直した。現在は、Hprtノックアウトを確認しているところである。これと並行して雄マウス肺由来の自然不死化細胞株についてHprt突然変異系に利用可能かどうか検定を行った結果、染色体が異数体化しているためにHprt突然変異には使用できないことがわかったので、今後改良を検討する。
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Research Products
(2 results)