2004 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物不法投棄サイトの修復・再生のための社会技術手法の開発
Project/Area Number |
16310048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古市 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 昇 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80343010)
石井 一英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292050)
塩山 昌彦 (株)クボタ, 環境研究部, 副部長(研究職)
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Keywords | 廃棄物の不法投棄 / 修復と再生 / 社会的技術手法 / 事例解析 / 双方向コミュニケーション / 意思決定手法 / ANP手法 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、廃棄物の不法投棄サイトを修復・再生するための社会技術手法を、構築することである。本研究では、実際に修復・再生方法を議論する際に不可欠な以下の(1)〜(4)の問題を解決するための手法を、社会技術手法ととらえて研究開発を行っている。 (1)不法投棄が生じた社会的背景や原因、責任問題、輸送経路等を明らかにするための、不法投棄事例管理ツールの開発 (2)修復・再生対策を円滑に推進するために重要な地域住民への情報発信、及び修復・再生に対する地域住民のニーズを把握するための手法の開発 (3)修復・再生対策のための住民合意や地域振興策等の社会的評価軸も考慮した総合的意思決定手法の開発 (4)技術的な視点としての数値シミュレーションを用いた修復効果予測手法の開発 今年度得られた成果を、上記の(1)〜(4)に対応させて下記に述べる。 (1)我々が実際に携わった不法投棄サイトの修復・再生事例に含まれている情報全てを分析し、その複雑な構造を明らかにすることによって、事例情報を一元的に管理できる手法を開発した。 (2)IT技術としてのホームページを活用した双方向コミュニケーション手法を提案し、中・高校生(37人ずつ)をモニターとして、実際の不法投棄問題を題材に社会実験を実施した。その結果、モニターの不法投棄問題の理解度の向上が図られ、さらにモニターの意向の把握が可能であることを確かめた。 (3)総合的意思決定手法として、複雑でかつ、分割困難な問題に適したANP (Analytic Network Process)モデルを適用し、総合評価モデルのプロトタイプを構築し、実際の汚染現場の意思決定問題に適用した。複数の専門家へのアンケート調査結果に基づいた重み付けにより、修復・再生方法の総合的評価の可能性を示した。 (4)実汚染現場を対象に、汚染現場の地下水位と地下水流量を表現できるモデルを構築し、汚染拡散防止対策としての表面遮水工(キャッピング)を施した場合の修復効果予測が行えることを確認した。
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