2004 Fiscal Year Annual Research Report
余剰汚泥ゼロエミッションで水を浄化できる磁化活性汚泥法の実証研究
Project/Area Number |
16310049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
酒井 保藏 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70186998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯村 兼一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (10272220)
荷方 稔之 宇都宮大学, 工学部, 助手 (30272222)
石川 進 前澤工業, 中央研究所, 課長代理(研究職)
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Keywords | 磁化活性汚泥法 / 磁気分離 / ゼロエミッション / 下水処理 / 磁性粉 |
Research Abstract |
1)宇都宮市下水処理場に設置した実証実験装置を用いて、長期連続運転を行ない、磁化活性汚泥法により余剰汚泥の引き抜きを行なうことなく年間を通じた下水処理が行なえることを実証した。処理水の性状は一般の活性汚泥法と比較して同等のレベルにあった。また、曝気槽中の汚泥が高濃度であること、汚泥滞留時間が無限大であるため、硝化菌の増殖に有利となり、間欠曝気を行なうのみで70%の脱窒処理も行なうことができた。追加の施設や複雑なフローを必要とせず、曝気制御のみで下水の三次処理も可能であることが実証できた。実験期間中の下水処理量は約8000m3で、この間の余剰汚泥ゼロエミッションを確認した。処理水中に磁性粉は認められず、溶解成分の鉄としても流入水と同じ濃度であり、磁性粉がクローズドシステムで利用できることも実証された。 2)高濃度汚泥の効率的な曝気プロセスについて、表面曝気を中心に基礎的検討が行なわれた。20,000mg/Lを越えるMLSS濃度の汚泥では、通常のディフューザによる散気曝気方式では効率が著しく低下する。表面曝気法では高濃度の汚泥でも高速で酸素を溶解させることができることが示された。 3)間欠曝気による脱窒プロセスでは、流出水を汚染する可能性がある水素源の追加を避けて、流入する廃水中の有機物を有効利用すべきである。しかしC/N比が2に近い高窒素含有廃水では有機物が不足する。そこで、曝気/非曝気のタイミングにあわせて、廃水を流入させる回分式磁化活性汚泥法の基礎的検討を行い、低C/Nの廃水を水素源の追加を行なわずに三次処理まで行なえることを確認した。磁性粉の回収法についての検討も行なった。 これらの研究成果は2004年5月の低温工学学会、8月の磁気分離夏の学校、11月の栃木県学生発表会、2005年3月の水環境学会で発表された。栃木県学生発表会では知事賞を受けた。
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Research Products
(2 results)