難分解性含塩素有機リン酸トリエステル類の微生物分解機構の解明

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16310054
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Nagaoka University of Technology
• Principal Investigator: 解良 芳夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00137168)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高橋 祥司 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90324011)
• Keywords: 難分解性 / 有害物 / 含塩素 / 有機リン酸トリエステル類 / スクリーニング / 分解微生物

Research Abstract

Tris(1,3-dichloro-2-propyl)pbosphate(以下TDCPP)やTris(2-chloroethyl)phosphate(以下TCEP)などの『難分解性含塩素有機リン酸トリエステル類の微生物分解』を世界で初めて明らかにし、その分解機構を詳細に解析することにより、廃水処理や環境修復へと応用するために必要な基礎を築くことが本研究の目的である。
平成16年度は、以下の研究実績をあげた。
(1)高い分解活性を有する微生物培養液の取得:野外試料のスクリーニングにより得られた、TDCPPやTCEPに対する分解活性を示した微生物を含む培養液を、繰り返し継代培養し、安定して高い分解活性を有する培養液を選抜した。
(2)微生物培養液を用いた当該化合物分解挙動・特性の解析:これらトリエステル類の分解活性・分解速度と微生物の増殖速度の関係、分解活性・分解速度に及ぼすトリエステル類の初期添加濃度の影響、分解活性・分解速度に及ぼす無機リン酸塩添加の影響、トリエステル類から遊離されと予想される塩化物イオン濃度の経時変化などについて詳細に検討した。
(3)培養液における微生物集団の解析:選抜した培養液中の微生物集団から調製したゲノムDNAを鋳型とし、16S rDNAの可変領域をPCRで増幅した後、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法で解析した。
(4)分解に関与する微生物の単離・同定:選抜した培養液から、TDCPPおよびTCEPを唯一のリン源とした寒天培地を用いて、分解微生物を単離した。現在、得られた単離微生物同定のために、16S rDNAの塩基配列を解析中である。