2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規ラジカル生成系と高勾配磁気分離を融合した環境保全システムの構築
Project/Area Number |
16310055
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 宣明 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 外史 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (80019786)
荻野 千秋 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00313693)
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Keywords | 超音波 / 光触媒 / OHラジカル / ソノルミネッセンス / キャビテーション気泡 / アルゴン / 二酸化チタン / 水の熱分解 |
Research Abstract |
以下の点について検討を行った。 1.TiO_2粒子がラジカル生成に及ぼす影響 サリチル酸ナトリウム水溶液と,TiO_2粒子を反応容器に入れ,これを20℃に調整した恒温槽中で超音波照射(25〜36kHz,200W)を行った。試料を経時的に採取し,高速液体クロマトグラフィーと電気化学検出器によってdihydroxy benzoic acid(DHBA;サリチル酸へのOHラジカル付加反応による生成物)の定量を行った。粒子無添加の場合及びAl_2O_3粒子(Dp=2mm)を用いて同様の実験を行い,添加粒子による比較検討を行った。粒子無添加ではDHBAの生成は極微少量しか確認出来なかったが,粒子添加では超音波照射に伴いDHBA濃度は増加し,TiO_2とAl_2O_3の間には有意な差が認められた。これは溶液中に粒子が存在する場合キャビテーション気泡の生成が促進され,気泡圧壊による局所高温場での水の熱分解が促進し,・OH生成量が増加したと考えられる。またTiO_2粒子添加ではソノルミネッセンスによる光触媒作用によっても,さらに・OH生成が増加した可能性がある。 (2)溶存アルゴン(Ar)がラジカル生成に及ぼす影響 サリチル酸と二酸化チタン粒子を入れた反応容器を30分間脱気した後,Arで10分間加圧した。加圧によりArを溶存させた後,反応容器内を常圧に戻して超音波照射を行った。TiO_2粒子の場合,30分間の超音波照射におけるDHBA生成量は,Al_2O_3粒子と比較して約2倍であり,両者の差は有意であった。Arは熱容量比がN_2,O_2と比較して大きいためキャビティ圧壊時の温度が上昇し,水の熱分解の促進により・OH生成量が増加したと考えられる。さらに,Ar溶存下ではソノルミネッセンスにより,TiO_2の光触媒効果がより活性化された可能性もあり,さらに詳細な検討が必要である。
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Research Products
(6 results)