2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規ラジカル生成系と高勾配磁気分離を融合した環境保全システムの構築
Project/Area Number |
16310055
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 宣明 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 外史 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (80019786)
荻野 千秋 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00313693)
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Keywords | 二酸化チタン / 超音波照射 / 磁気分離 / OHラジカル / 環境ホルモン / 殺菌 / キャビテーション / ソノケミストリー |
Research Abstract |
二酸化チタン・超音波触媒法によるOHラジカルの生成メカニズムと有害化学物質・微生物の分解・殺菌について検討した。OHラジカルの生成メカニズムに関しては異なる5種類のガスを溶存させた溶液へ超音波照射を行い,OHラジカルの経時変化を調べた。O_2溶存下で超音波を60分間照射した場合,N_2溶存下と比較して約2倍のOHラジカルの生成が観察された。またArとXe溶存下ではO_2溶存下よりさらに多くのOHラジカルの生成が見られた。キャビテーション気泡圧壊時の気泡内温度はモル熱容量比に依存して高くなる。したがって,Xe,Ar溶存下とO_2,N_2溶存下でのDHBAの生成量の差はモル熱容量比の差に起因することが示唆される。局所高温場での水の熱分解,またソノルミネッセンスや高熱エネルギーで生ずる二酸化チタン表面の正孔によってひき起こされる水分子からのOHラジカル生成などが二酸化チタン・超音波触媒法での主要な活性酸素種生成機構と考える。 二酸化チタン・超音波触媒法を基盤技術とする実用型の流通型反応器を作製するための予備実験として,コイル状の反応器とカラム状の反応器を用いた場合との分解効率の比較検討を行った。同じ流量で比較するとコイル状の反応器の場合は短時間で分解率が定常に達し,高い分解率が得られた。これは二酸化チタンの近傍でOHラジカルが発生するため,溶液と二酸化チタンの接触頻度が分解率に影響していると考えられる。 また微生物殺菌メカニズムに関しては,(1)OHラジカルによる細胞膜の傷害に加えて,(2)キャビテーション気泡の崩壊時に生ずる二酸化チタン粒子に向かう超高速な流れ(ジェットストリーム)と二酸化チタン粒子への衝突による物理的な細胞膜傷害,(3)キャビテーション気泡圧壊時に形成される高温・高圧場の関与などが考えられた。
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Research Products
(6 results)