2005 Fiscal Year Annual Research Report
植物油脂を用いたFRPの循環型分別リサイクルの研究
Project/Area Number |
16310057
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 教授 (10134793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康隆 静岡大学, 工学部, 助教授 (10240798)
杉田 篤史 静岡大学, 工学部, 助手 (20334956)
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Keywords | FRP / 植物油 / 熱分解 / オリゴマー / 無機繊維 |
Research Abstract |
繊維強化プラスチック(FRP)は堅牢・耐蝕性を特徴とし、船、建築内装材、スポーツ用品等に利用されているが、これらの特徴ゆえ廃棄処理が非常に困難な材料となっている。特に小型船の廃棄については大きな社会問題になっている。現在のところ1)焼却または埋立、2)セメント原料、3)粉砕によるマテリアルリサイクルのいずれかの処理が行われている。しかしながら運搬コストが大きく、また焼却やセメント原料による回収では、最終的には炭酸ガスの発生となり、温暖化規制およびコストの関係から実行性に欠ける。 本研究では、植物油脂中で高分子(廃プラスチック)を熱分解(300℃程度)すると、非常に短時間(5-10分)で数10万の分子量が、2万-数千という中分子量になり溶媒との親和性の増すことからこれをFRPに適用した。その結果、FRPに油脂(大豆油)とグリセリン類、フェノール類等を小量入れると両末端がグリセリンやフェノールで置換したオリゴマーを得ることができる事がわかった。これにより、ガラス繊維の分離も容易に行えることもわかった。 この2年間で1)油脂を用いた分解過程で、ガラス繊維の強度がほとんど変化しない。2)不飽和ポリエステルは、油脂分解で、まずポリスチレン部の切断ののちエステル分解が起こる。3)無水マレインの添加により、官能基を再構築可能である。4)エステル部は320℃以上で交換反応により低分子・高分子と交換し特性を変化させることができ、油脂の添加で加速される。以上のことが明らかになった。これらの結果に基づき、架橋型の高分子も、分解を制御することで熱可塑性樹脂としての用途、再構築のためのオリゴマーやアスファルト状オリゴマーと各種に変化させることができる。
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Research Products
(1 results)