2004 Fiscal Year Annual Research Report
温度感応性高分子を用いる燃焼ガス迅速浄化システムの開発
Project/Area Number |
16310059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 徹 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40186945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 伸夫 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50203469)
藤森 英治 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30291412)
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Keywords | 温度感応性高分子 / 燃焼ガス / 浄化システム / フローテーション / 多環芳香族炭化水素 / 凝集 / 界面活性剤 / 濃縮 |
Research Abstract |
化石燃料や都市ごみの焼却時に発生する燃焼ガス中には種々の環境汚染物質が含まれる。本年度は、温度感応性高分子の水溶液中における凝集現象とそれに伴う水中汚染物質の捕集、フローテーションによる凝集高分子の迅速捕集及び高分子水溶液中へのガス吹き込みによる汚染物質の捕集の3つを有機的に結合し、合理的かつ低環境負荷型で実現可能な燃焼ガス浄化システム構築の可能性について検討した。多環芳香族炭化水素(PAHs)を窒素気流中で揮発させて作製した模擬燃焼ガスを用いた検討において、高分子水溶液中への燃焼ガス送り込みによるPAHs捕集の要件(ガス流量、気泡径、気液接触時間)を明らかにし、3員環以上の炭素数を有するPAHsを定量的に捕集できることを明らかにした。また、高分子分離媒体の有するPAHs捕集容量に基づき、ガス中PAHs量に要求される浄化槽への高分子媒体供給量あるいは交換速度を試算した。次に、汚染物質を捕集した温度感応性高分子の凝集・回収ならびに水中の汚染物質の除去に要する条件を高分子の性質(分子量、電荷)、共存物質(中和剤、界面活性物質)、pH、温度、ガス流量を変数として系統的に調べた。PAHsの水中から高分子凝集相への移行は本系を水中汚染物質の濃縮技術としてバッチ系で用いた場合と同様であり、汚染物質と高分子分離媒体との疎水性相互作用が支配要因であった。一方、荷電高分子と反対電荷を持つ界面活性剤の併用は凝集温度とフローテーションによる分離回収時間を制御するために有効であり、ガス洗浄のサイクル時間を調節するために有効であることが示唆された。また、この際、PAHsの捕集率は無電荷の高分子を単独で用いた場合とほぼ同じであった。さらに、高濃度のPAHsを含む高分子は水に再溶解後に活性炭層に通すことによって再生でき、高分子及び水溶液の各々を再利用できる循環型浄化システムとなりうることが示された。
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