2006 Fiscal Year Annual Research Report
温度感応性高分子を用いる燃焼ガス迅速浄化システムの開発
Project/Area Number |
16310059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 徹 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40186945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 伸夫 宇都宮大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50203469)
藤森 英治 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (30291412)
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Keywords | 温度感応性高分子 / 燃焼ガス / 室内空気 / 有機汚染物質 / アルデヒド / テドラーバッグ / 短期間サンプリング / 高感度分析 |
Research Abstract |
化石燃料や都市ごみの焼却時に発生する燃焼ガス中には種々の環境汚染物質が含まれる。本年度は、発生ガスや都市大気及び室内空気中に含まれる汚染物質の高感度分析への応用を検討した。すなわち、温度感応性高分子水溶液中に空気中の汚染物質が迅速に取り込まれ、可溶化されることに着目し、サンプリングした大気試料を温度感応性高分子水溶液と振り混ぜ、分析対象物質を水溶液中に可溶化した後に、必要であれば誘導体化反応を行い、ついで高分子の凝集現象を利用して濃縮した。テドラーバッグに試料空気を導入し、水溶性成分は水溶液と疎水性成分は温度感応性高分子水溶液とバッグ中で振り混ぜることによって、成分を水溶液中に可溶化した。本年度は不完全燃焼の過程で生じる有機汚染物質としてアルデヒドを主な対象とした。炭素数6以下の脂肪族アルデヒドは水溶液中に可溶化され、酢酸アンモニウム緩衝溶液中におけるジメドンとの反応により、蛍光誘導体を生成した。蛍光誘導体は高分子凝集相に抽出され、濃縮された。高分子凝集相を少量のアセトニトリルに溶解し、蛍光検出器を接続した高速液体クロマトグラフィーに導入して分離・定量した。その結果、わずか20秒のサンプリングでサブppbレベルのアルデヒドの定量が可能となった。アルデヒドの分析は米国環境保護庁(EPA)による方法が一般的であるが、サブppbレベルのためのサンプリングには1時間以上を要する。本法により、数十秒単位の時間分解能を持つ分析法が確立された結果、換気や交通による変遷、場所による違い等を把握できるようになった。他に、空気中の多環芳香族炭化水素及びフタル酸エステルの分析への応用が可能であることが示された。
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Research Products
(1 results)