2004 Fiscal Year Annual Research Report
外場チューニングによる有機無機複合型ナノ量子ドット超格子の光学特性制御
Project/Area Number |
16310066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松石 清人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (10202318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大成 誠之助 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70015824)
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Keywords | 分光 / 量子ドット / 半導体ナノ構造 / 光学特性 / 高圧物性 / 有機無機複合材料 / 逆ミセル / 相転移 |
Research Abstract |
今年度は、ガス駆動型ダイヤモンドアンビルセルとそれを冷却するクライオスタット(到達温度4K)を購入し、温度・圧力可変で分光測定(光吸収、発光、ラマン散乱)を行なうための光学システムの構築に着手した。それと同時に、有機無機複合型ナノ量子構造物質として、(1)テンプレート法による自己組織化量子構造結晶(量子細線結晶、量子井戸結晶、3次元ペロフスカイト結晶)、(2)逆ミセル法による1〜7nmサイズの半導体量子ドット(CdS、InS)の作製を行なった。 (1)では、量子細線結晶[NH_2C(I)=NH_2]_3PbI_5において、自由励起子と束縛励起子に起因する特異な光応答、光誘起欠陥生成現象、光伝導の機構などを明らかにした。また、量子細線構造の違いによる電子・励起子状態への影響を明らかにした。それらの結果は7月の第27回半導体物理国際会議(米国)で発表した。量子井戸結晶[C_4H_9NH_3]_2PbI_4においては、光学特性における有機分子の置換効果と金属カチオンのMn置換効果を調べ、興味ある結果を得た(日本物理学会2004年秋季大会で発表)。3次元ペロフスカイト結晶では高圧下での相転移現象と電子・励起子状態を実験と理論の両面から明らかにした(8月の第11回高圧半導体物理国際会議(米国)で発表)。さらに、その結果を有機分子置換によるケミカルプレッシャーの効果と比較した(目本物理学会第6O回年次大会で発表予定)。 (2)では、遷移金属及び希土類金属をドープしたCdS量子ドットの光学特性を調べた。Cu,Erを添加すると、発光特性が顕著に変化することがわかった(5月のナノ学会第2回大会で発表)。さらに、Eu添加においては、エネルギー移動に関する興味ある結果を得た。InS量子ドットでは、励起状態における量子サイズ効果を初めて明らかにした。これらは、日本物理学会第60回年次大会で発表予定である。
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Research Products
(5 results)