2006 Fiscal Year Annual Research Report
極低温近接場分光法によるナノ構造中の電子波動関数のマッピングと制御
Project/Area Number |
16310075
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70261196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 晋太郎 筑波大学, 大学院数理物理科学研究科, 助教授 (90271527)
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Keywords | 量子ドット / 波動関数 / 近接場光学顕微鏡 / 窒化物半導体 / 混晶 / 局所状態密度 |
Research Abstract |
ヘリウム温度・強磁場下にて動作し、かつ30nmの空間分解能を有する近接場光学顕微鏡(NSOM)を用い、半導体量子ドット、ならびにその結合状態の波動関数マッピングをおこなった。おもな成果は以下のとおりである。 (1)GaAs界面量子ドットにおいて最低準位励起子、励起子分子、ならびに励起状態の励起子の波動関数マッピングをおこない、モデル計算との定量的な一致を得た。さらに磁場中での磁気光学発光も測定し、反磁性シフトを明瞭に観察した。シフト量と波動関数マッピングにより得られる情報(量子ドットの大きさ)との相関を明らかにした。 (2)静電閉じ込め量子ドットにおいて、検出波長に依存した発光プロファイルの変化を確認し、局所状態密度のマッピングに成功したと結論付けた。 (3)GaNAs量子井戸においてN原子の不均一な分布による局在、非局在状態の実空間マッピングをおこなった。発光スペクトル形状と空間的な発光プロファイルに強い相関が確認され、クラスター状態と混晶状態が共存していることを確認した。 (4)GaInNAs量子井戸において(3)と同様、局在励起子発光の実空間マッピングをおこなった。近接する局在ポテンシャルにより結合した量子ドット構造を確認した。シュレディンガー方程式の数値計算の結果と比較し、結合したポテンシャル構造を定量的に予測した。
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