2004 Fiscal Year Annual Research Report
珪藻殻の形状支配因子タンパク質を用いた半導体ナノパターニング
Project/Area Number |
16310092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
金子 忠昭 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50291977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 裕介 関西学院大学, 理工学部, 助教授 (30291975)
佐野 直克 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00029555)
田中 祐二 関西学院大学, 理工学部, 研究員 (20351744)
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Keywords | 珪藻殻 / バイオミネラリゼーション / バイオシリカ / 組換シラフィン / 半導体プロセス / 自己組織化 / ナノパターニング / 新機能素子 |
Research Abstract |
珪藻の殻は幾何学的に組織化された数十ナノメートルの素構造を有する。本研究では、(1)珪藻殻の自己組織化機能に関与する因子としてSilaffin遺伝子の配列に注目し、珪藻CylindrothecafuciformisよりSilaffin遺伝子を単離した。Silaffinは7回までのドメイン繰り返し構造を有するが、今回のPCRクローニングの結果、繰り返し数の異なるSilaffin遺伝子が同時に得られた.(2)このうち一回繰り返し型遺伝子を大腸菌に形質転換した。得られた形質転換体を通常の培地で大量に培養し、大腸菌体内でSilaffinを生産した。(3)Silaffinのタンパクの物理化学的性質を利用し、Silaffinを大腸菌破砕液の中から精製したところ、電気泳動的にほぼ単一の標品タンパク質を得ることが出来た。(4)この組換えSilaffinタンパク質に珪酸溶液を作用させることにより、粒状バイオシリカの形成に成功した。次に支持基板上に組換えSilaffinタンパク質を固定化し、その表面に珪酸溶液を封入した。その結果、基板表面にバイオシリカの構造体が形成されたが、このシリカ構造体の識別にはPDMPO(2-(4-pyridyl)-5-((4-(2-dimethylaminoethyl aminocarbmoyl)methoxy)-phenyl)oxazole)標識を用いた蛍光発光法により評価を行った。本手法により作製されたシリカ構造体の中心には、不定形であるが紋様構造を持ったシリカ個体が基板に固定された状態で存在し、このクラスターを取り囲むようにバイオシリカの薄壁が形成されているのを確認した。この結果、Silaffinの固定化がシリカ固体形成反応にある程度の形状制限を与えていることが示唆された。半導体基板上への展開に対しては、炭化珪素(SiC)基板を用いて、反応溶液内の対流が抑制された"極薄溶液環境"を構築し、その物理的制限環境での組換えSilaffinの固体形成反応について評価を行った。その結果、数マイクロメートル程度の直径をもつ球状バイオシリカが自己配列化されるのを実証した。
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Research Products
(2 results)