2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーとマイクロ反応器を複合化した不斉合成システム
Project/Area Number |
16310095
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
市村 禎二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50016169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30251606)
松下 慶寿 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80240753)
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Keywords | 環境技術 / 光源技術 / マイクロ・ナノデバイス / 光物性 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
光反応に最適化したマイクロリアクターを設計、高収率、高選択率反応システムの開発を行った。マイクロリアクター中において、不斉光増感反応の効率化を実験検証した。(R)-(+)-リモネンの光不斉増感アルコール極性付加反応をモデル反応系として、セル中及びマイクロリアクター中での見かけの生成速度定数の見積もりを行ったところ、マイクロリアクター中ではセル中に比べマイクロリアクターのサイズによって、数倍大きな生成速度定数をもつことが明らかになった。また、この生成速度の違いから生成物の光学純度に違いが現れることがわかった。この反応系では初期反応において高いジアステレオ選択性を生じ、その後ジアステレオ選択性を下げる副反応が起こっているものと考えられる。この場合、高選択的に目的生成物を得るにはできるだけ短時間で生成物を回収することが必要である。マイクロリアクターを用いてフロー精密制御を行い、反応時間をコントロールすることでより高選択的に目的生成物を得ることができた。また、光反応の光源として一般的に用いられている水銀灯よりも、単色性が良く波長可変なレーザーを用い、その光反応に最適な波長を選択することで反応効率を上げることができることも明らかになった。 二酸化チタンなどの光触媒を担持したマイクロリアクターの有機反応場としての有効性についても検討した。流路内に光触媒薄膜を担持したマイクロリアクターを用いると、比表面積が非常に大きいという効果が顕著に現われ、酸化分解、還元反応が極めて高効率に進行することが明らかとなった。アミンのN-アルキレーション反応では、バッチ系と異なる、マイクロ反応場特有の新規な反応性を示す系の存在することが見出された。通常のバッチ反応系では進行しない、あるいは事実上観察できないほどに効率の低い反応が、比界面積の極めて大きいマイクロリアクターでは発現したものと考えられる。
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Research Products
(1 results)