2004 Fiscal Year Annual Research Report
「ソフトでウエット」なマイクロ化学システム-人工細胞の構築
Project/Area Number |
16310099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥村 幸久 信州大学, 工学部, 助教授 (40243042)
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Keywords | リポソーム固定化 / 脂質2分子膜 / 架橋高分子ゲル / 巨大リポソーム / 人工細胞 / 組織化 / ビオチン-アビジン / リポソーム調製法 |
Research Abstract |
1.巨大リポソーム調製法の開発・改良に関して,調製条件のより厳密な制御により,生成する巨大リポソームの性状が改善,さらには,平均粒径の制御が可能であることを示した.また,交流電場法において電極上に微小な脂質ドメインを形成しておくことにより,得られる巨大リポソームの粒径等を制御することが可能であることを明らかにした. 2.巨大リポソームの安定化手法の開発に関して,コレステロール等の第3成分の膜への導入により巨大リポソームの安定性の制御が可能であることを示した.さらに,これを利用することにより,交流電場法による巨大リポソーム生成の制御が可能であることを明らかにした. 3.異種材料とリポソームの複合化に関連して,化学修飾した高分子ゲル粒子への巨大リポソームの吸着・脱着システムにおいてより詳細な条件の検討を行った結果,吸脱着効率の向上に結びつく知見を得た.また,従来の金属あるいはガラス電極などとは異なる高分子材料をベースとした電極上での巨大リポソームの形成・複合化をおこなった. 4.リポソームの組織化について,特異的に結びつく機能性分子対を組み込んだリポソームを作製し,分子認識を利用して自発的に集団・組織を形成させる試みを行なった. 5.化学システム構築手法の開発に関して,マイクロマニュピレーションおよびマイクロインジェクション等の物理的手法,あるいは巨大リポソーム調製法の改良によって,化学システムの構築に必要となる酸化還元能を有する分子から数マイクロメータ程度の径を持つ高分子粒子まで種々の物質を巨大リポソーム内水相へ導入することが可能である事を示した。
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Research Products
(2 results)