2006 Fiscal Year Annual Research Report
「ソフトでウェット」なマイクロ化学システム-人工細胞の構築
Project/Area Number |
16310099
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥村 幸久 信州大学, 工学部, 助教授 (40243042)
|
Keywords | リポソーム固定化 / 脂質2分子膜 / 架橋高分子ゲル / 巨大リポソーム / 人工細胞 / 組織化 / 電場法 / リポソーム調製法 |
Research Abstract |
1.巨大リポソーム調製法の開発・改良に関して,交流電場法における巨大リポソーム形成において,従来に例のない,電極以外の担体材料上での巨大リポソーム形成が可能である事を見いだした.さらにポリ(エチレンテレフタレート)のように非導電性物質でもこの担体となりうる事を示した.また,脂質の水への分散液を用いても電極への脂質塗布および形成した脂質層からの巨大リポソーム形成が可能である事を示し,有機溶媒を全く用いる事のない,巨大リポソーム形成システムの構築が可能である事を実証した. 2.巨大リポソームの安定化手法の開発に関して,安定性の評価において必要となる,浸透圧を利用したリポソーム強度評価・測定システムの構築をおこなった. 3.異種材料へのリポソームの固定化について,化学修飾した高分子ゲル粒子表面への巨大リポソーム固定・複合化について引き続き検討をおこない,電場法により形成した巨大リポソームの固定化が実際に可能であることを示した. 4.リポソームの組織化に関して,基板表面における巨大リポソームの位置制御・組織化のためのマイクロドメイン形成に必要となるシステムの構築と改良をおこなった.特に,微小脂質ドメインの形態とリポソーム形成位置制御に関して検討をおこない,有用な知見を得た. 5.化学システムの構築に関して,マイクロマニュピレータおよびマイクロインジェクタ等を用いて化学システムの構築に必要な種々の物質の巨大リポソーム内水相へ導入するためのシステム構築と改良をおこなった.また,電場法により電極に付着した形で形成した巨大リポソームを電極から脱離する手法に関する検討をおこなった.
|
Research Products
(3 results)