2004 Fiscal Year Annual Research Report
大規模離散最適化問題の劣モジュラ的構造に基づく解析と高速アルゴリズム開発
Project/Area Number |
16310111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤重 悟 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10092321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明久 慶応大学, 理工学部, 教授 (50217189)
牧野 和久 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60294162)
平井 広志 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20378962)
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Keywords | 離散最適化 / 組合せ最適化 / 劣モジュラ関数 / アルゴリズム |
Research Abstract |
社会システムや産業活動に関係して現れる生産計画,環境計画、最適配送計画、スケジューリング、最適投資などを始めとする重要な問題の多くは、大規模かつ離散構造を有するシステムの最適化問題として捉えられる。本研究では、離散最適化問題の有用な構造的性質の抽出、および、その性質に基づいた高速アルゴリズム開発に主眼をおき,最適化分野における基礎理論の構築を試み、研究に取り組んでいる。 平成16年度の研究成果は、以下の通りである。 1.双対貪欲多面体を記述する線形不等式系の構造について研究し、その組合せ構造と選択関数ならびに抽象凸幾何との関係を明らかにし、その結果をさらにより一般的な条件下での双対貪欲構造の解明に向けて研究を進めている。 2.複基多面体を始めとして辺に注目する多面体の理論を展開し、劣モジュラ構造との関係を吟味した。この方向での離散最適化および線形計画問題への展開を試みている。 3.離散凹効用関数をもつ安定マッチング問題の安定解の存在に関して、劣モジュラ構造の観点から理論的考察を行い、いわゆる古典的なゲイル・シャプレイの安定マッチングと割当ゲームの一般化モデルを構築し、安定解の存在を証明した。 4.動的ネットワーク上のフローに注目した出口(施設)の配置問題に関して、施設数一定の下での最速フロー問題、完了時間制約の下での最小施設配置問題などに対して、木構造ネットワークの場合の高速アルゴリズムを提案した。 5.系統樹の解析に現れる木計量のもつ離散凸構造を明らかにし、2次M凸関数との関係を示した。 以上の成果を基に離散最適化問題の有する劣モジュラ的構造の解明を進め、高速アルゴリズム設計のための有用な構造の発見へと研究をさらに展開する。
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