2007 Fiscal Year Annual Research Report
大規模離散最適化問題の劣モジュラ的構造に基づく解析と高速アルゴリズム開発
Project/Area Number |
16310111
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤重 悟 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授 (10092321)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50217189)
牧野 和久 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (60294162)
平井 広志 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (20378962)
|
Keywords | 離散最適化 / アルゴリズム / 劣モジュラ関数 / 組合せ最適化 / 数理計画 |
Research Abstract |
平成19年度の研究に関わる主な研究成果は以下の通りである。 1.無向グラフとソース・シンクペア集合Sが与えられたとき,極小なパス積、カット和を列挙することが逐次多項式時間で可能であることを示した.また,Sが点部分集合Wのすべてのペアから成る集合のときは、極小なパス和、カット積を列挙することが逐次多項式時間で可能であることも示した. 2.グラフ上の半教師付き学習のための学習機械「電気回路判別器」を提案する.この判別器は非線形電気回路理論に基づいて構成され,データセットを電位の符号によって分類するものである.高いモデリング能力と効率的なネットワークフローアルゴリズムによって、複雑大規模な現実問題への応用も十分期待される.実験結果においては,拡散カーネルやその他標準的な手法と比較しても十分良い性能を有していることが示された. 3.ある種の条件を満たすスポーツスケジュールが存在するかという未解決問題に対して,既存の結果としては,チーム数が2べきの場合はグラフ論を利用し示され,チーム数が30と互いに素な場合はトーナメントデザインの結果から示されていたが,本研究で,チーム数(偶数)が8以上ならば常に存在することを証明し,この未解決問題を完全に解決した. 4.劣モジュラ関数のもつ離散凸性を一般化する多面体的なタイト関数のクラスを考え,分離定理やFenchel双対定理を離散定義域上で成り立たせる条件を明らかにした。
|