2005 Fiscal Year Annual Research Report
巨大地震によるやや長周期地震動の生成機構解明と石油タンク・免震建物等耐震性能評価
Project/Area Number |
16310125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助教授 (50012935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 教授 (90134634)
笹谷 努 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10002148)
座間 信作 独立行政法人消防研究所, 防災研究グループ長 (50358777)
古村 孝志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80241404)
畑山 健 独立行政法人消防研究所, 主任研究官 (00358798)
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Keywords | 長周期地震動 / 堆積平野 / 3次元S波速度構造 / 微動アレー観測 / 表面波 / シミュレーション / スロッシング / 免震建物 |
Research Abstract |
2003年十勝沖地震での石油タンク火災を契機として、長周期地震動の評価について、見直しと更なる定量的予測手法の開発が求められるようになった。本研究では、石油タンク火災を経験した苫小牧市を含む勇払平野、新潟市を中心とする新潟平野および長周期構造物が林立する首都圏を研究対象とした。本年度実施した内容を以下に列挙する. 1.アレー微動観測とSPAC解析から、新潟平野6サイトに於ける浅部から深部までの地下S波速度構造を推定した。Rayleigh波位相速度としては長周期側で2km/s程度が求まり、基盤面の深度を含むS波速度構造を推定した。2・3次元の地震動シミュレーションを目的に、各観測サイトのS波速度を統一した7層から成る地下構造モデルを求めた。その結果、Vs 2km/s以上の基盤面深度は川岸町と新潟西港付近が5km程度と最も深いことが分かった。このことは、予察的な3次元地下構造モデルによる傾向と調和する。また、本研究で推定されたVs 1.8km/sの層が西山層に対応しているとすれば、西山層上面については、内野が川岸町と新潟西港付近よりも深い。 2.昨年度実施した微動アレー観測結果から推定した勇払平野の2次元地下構造モデルに対する地震波伝播シミュレーションを行った.この周期における揺れは同平野内では苫小牧西港付近で最大であったが、シミュレーション結果は,観測速度波形をよく再現しており,平野内の振幅較差も定量的に説明している.苫小牧西港付近の揺れが大きくなったのは,S波速度3km/s程度以上の地震基盤深さではなく,地表近くにS波速度0.8km/s以下の地層が厚く堆積していることと関係していることがわかった。 3.首都圏での将来の大地震を考慮に入れた長周期地震動シミュレーション、石油タンクの地震応答と免震等建物の長周期地震応答を検討した。
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Research Products
(5 results)