Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今岡 照喜 山口大学, 理学部, 教授 (30193668)
古本 宗充 名古屋大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (80109264)
福地 龍郎 山口大学, 理学部, 助教授 (90212183)
進士 正人 山口大学, 工学部, 助教授 (40335766)
遠田 晋次 産業技術総合研究所, 活断層センター, 主任研究員 (80313047)
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Research Abstract |
島根県中西部〜山口県中南部に延びる大原湖-弥畝山西断層系を研究対象として,地形判読,地表地質調査を行ない,断層系の分布や性状を明らかにするとともに,変位地形が確認された地点でトレンチ調査とボーリング調査を実施した.さらに,大原湖-弥畝山西断層系を構成する地質断層であるる徳佐-地福断層と仁保谷断層を対象として,それぞれ1ヵ所の河床露頭で原位置弾性波速度測定を行なった.さらに,福岡県西方沖の地震に関する震災調査を実施し,地質学会西日本支部でその地震に関するシンポジウムを開催した。主な結果は,以下の通りである。 (1)徳佐-地福断層の南西部において実施したトレンチ発掘調査の結果,下部砂礫層を切る断層の^<14>C年代から,この断層の最新活動時期は約8,000年前であると推定した. (2)トレンチ発掘地点の東約800mの地点において道路工事中に出現した断層露頭を対象として,詳細な調査を行い,木戸山西方断層の最新活動時期として約7,500年前以降を得た. (3)母岩の異なる2ヵ所の河床断層露頭で実施した原位置弾性波速度測定の結果から,断層岩類の、原位置Vpは1.0〜3.0km/sであり,母岩の値の1/2以下である. (4)仁保川断層の河床露頭で掘削されたボーリングコア試料を使った弾性波測定の結果は,原位置測定結果と同様に,母岩の値の1/2以下の値が得られた。また,VsがVpより速い試料もあったため,これについては今後の課題である。 (5)断層岩類の弾性波速度について,原位置測定と室内測定の結果を比べると,一部の断層岩で原位置Vpの方が室内Vpよりも速くなっている。このことから,断層岩類の室内測定結果を実際の断層地盤に適用する場合に,注意が必要であることを指摘した。
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