2006 Fiscal Year Annual Research Report
災害対応における人材適性の事前検討にもとづく人材配置戦略の開発と検証に関する研究
Project/Area Number |
16310128
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
立木 茂雄 Doshisha University, 社会学部, 教授 (90188269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (80231679)
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (70214830)
木村 玲欧 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (00362301)
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Keywords | 災害対応コンピテンシー / ICS(Incident Command System) / 阪神・淡路大震災対応 / 鳥インフルエンザ対応 / BSE対応 / 新潟県中越地震での自治体職員の対応 / ハリケーンカトリーナ災害対応 / 尼崎JR列車転覆事故対応 |
Research Abstract |
平成19年度前半は、災害対応における事前・事後業務について文献調査およびインタビュー調査結果の再分析を実施した。文献調査の結果、発災直後はおろか、事前ならびに事後業務に関する高業績者に関する先行研究も内外において蓄積が極めて低いことが明らかになった。一方、神戸市消防関係者への面談調査結果の再分析を進めるうち、事前および事後の業務は、企画・計画系の一般事務職業務と大きな違いは存在しない、との指摘が一般化されることが明らかになった。以上から、発災直後の対応に研究資源と労力を再度集中し直し、発災時の災害対応コンピテンシー3尺度(ライカート尺度、状況付与・評価尺度、状況付与・対応記述)の外的妥当性(構成概念妥当性、予測的妥当性)を確認することの方が学的・社会的貢献度がより高いと判断した。 構成概念妥当性を検証するために、より短時間での回答が可能となるよう、「状況付与・評価尺度」については自由記述欄を廃し、「評価できる」から「評価できない」までの4段階の尺度へと簡素化した。また「状況付与・自由記述尺度」については、神戸市消防職員の回答をもとに反応カテゴリーを作成し、多肢選択尺度へと改訂した。改訂版の災害対応コンピテンシー3尺度は、西日本を中心とした15の自治体消防職員に実施した。このデータ分析から、災害対応コンピテンシー尺度には一定の構成概念妥当性が確認された。 外的妥当性のもう一つの側面には予測的妥当性がある。これは尺度得点の高い人材は実際の災害対応活動でも高業績を示すことができるかどうかを検討するものである。そこで神戸市内の自主防災組織関係者および同志社大学社会学部学生を対象にシミュレーション実験を実施した。その結果、ライカート尺度コンピテンシー得点が高かったチームほど実験の得点も高いことが明らかになり、災害対応コンピテンシー尺度には一定の予測的妥当性があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)