2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイナン/ルソンメダカ種間雑種をもちいた遺伝子地図作成による比較ゲノム解析
Project/Area Number |
16310131
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成瀬 清 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (50208089)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒泉 満 新潟大学, 理学部, 教授 (40175360)
|
Keywords | メダカ / ルソンメダカ / ハブスメダカ / シンテニー / ゲノムライブラリー / インドメダカ / タイメダカ / 比較ゲノム |
Research Abstract |
メダカ及びその近縁種をもちいた比較マッピングによって、現在までにメダカ、ハイナンメダカ、ルソンメダカ、メコンメダカ、ジャワメダカ、ハブスメダカ、インドメダカ、タイメダカの性染色体と性決定様式が明らかとなった。 メダカとハイナンメダカは連鎖群1(LG1)が性染色体であり、XX-XY型の性決定様式を持つ。ルソンメダカの性染色体はメダカのLG12と相同であり、その性決定機構はXX-XY型であった。メコンメダカではその性染色体はメダカのLG2と相同であり、その性決定機構はXX-XY型であった。ジャワメダカの性染色体はメダカのLG16に相同であるが、性決定の機構はZZ-ZW型を示した。ハブスメダカの性染色体はメダカのLG5に相同であり、その性決定機構はZZ-ZW型であった。インドメダカではメダカのLG10に相当する染色体が性を決定すると共に、その性決定機構はXX-XY型であった。これらの種の系統関係はメダカ ハイナンメダカ ルソンメダカ メコンメダカが単系統(両腕型染色体グループ)を示す。またジャワメダカ ハブスメダカ インドメダカ及びタイメダカも単系統(単腕型染色体グループ)を示す。インドメダカを除き単腕型染色体グループの種はZZ-ZW型性決定様式をとることや、その姉妹群である両腕型染色体グループの種では、現在知られているすべての種がXX-XY型の性決定機構をもつことを考えると、すくなくとも単腕型と両腕型染色体グループの共通祖先はXX-XY型の性決定機構を持ち、2つのグループが分岐した後、単腕型の中でジャワーハブスメダカの系統においてZZ-ZW型の性決定機構を持つ系統が現れ、現在に至るのではないかというシナリオがみえてきた。ハブスメダカ性連鎖マーカーをもちいてフォスミドライブラリーをスクリーニングし、ハブスメダカ性染色体をFISH法で同定したところZ染色体とW染色体は異形性を示すことが明らかとなった。これはメダカ属では初の報告である。グローバルなシンテニーに関してはメダカ属では染色体レベルで良く保たれていた。
|
Research Products
(3 results)