2005 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉作用を利用したBSE原因遺伝子ノックダウンウシの作出
Project/Area Number |
16310140
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
音井 威重 山口大学, 農学部, 助教授 (30311814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 芳実 山口大学, 農学部, 教授 (40115514)
須藤 鎮世 就実大学, 薬学部, 教授 (80368696)
多比良 和誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10261778)
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Keywords | 牛海綿状脳症 / プリオン遺伝子 / RNA干渉作用 / プリオン蛋白 / siRNA / クローン動物 |
Research Abstract |
本研究は、RNA干渉作用を利用することにより、プリオン蛋白の形成が無く、BSEを発症しない牛の作出を目的とする。研究2年度目は、構築したsiRNAベクターの体細胞への導入と発現評価および効率的なクローン胚の作出について検討した。 1.プリオン遺伝子bPrP^c用siRNA発現ベクターの構築とin vitroでの評価 (1)プリオン遺伝子bPrP^c用siRNAの至適配列の選択 アルゴリズムで予測された数カ所のプリオン遺伝子標的配列についてプロモーター(U6およびtRNA)による発現ベクターでsiRNAを発現させた結果、U6は615位から始まる配列の22-merが、tRNAでは同じ配列の21-merが最も高い活性を示した。 (2)siRNA発現ベクターの構築とin vitroでの評価 至適siRNA配列を組み込んだベクターをpEGFP-C1ベクターに組み込みsiRNA発現ベクターを構築した。次に、プリオン遺伝子bPrP^cとホタルルシフェラーゼ遺伝子とを連結し、siRNAを発現させるベクターを同時にウシ肺由来培養細胞に導入すると、RNAi活性が認められた。 2.初期胚への遺伝子導入と移植 (1)siRNAベクター導入胚の作成方法の検討 クローン胚を作成する際に使用するレシピエント卵子の成熟培養におけるビタミンA、ビタミンCの添加効果を検討した結果、ビタミンAの100μM添加により、核融合後の融合率および胚盤胞発育率が増加した。一方、siRNAベクター導入体細胞をビタミンA50μM添加した培養液で培養した結果、胚盤胞発生率および胚盤胞のDNA損傷率が改善することが判明した。 (2)遺伝子導入胚の移植 発情同期化した受卵雌牛11頭にsiRNAベクターを導入した体細胞クローン胚(4-8個/1頭)を移植した。その結果6頭が妊娠し、4頭が妊娠5-6ヶ月齢で流産した。また、2頭が現在、妊娠を継続中である。
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Research Products
(4 results)