2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格系に作用する機能性天然分子の開発と創薬への利用
Project/Area Number |
16310143
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 淳一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90221241)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 博史 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70220069)
津田 正史 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (10261322)
石山 玄明 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70333622)
|
Keywords | アクチン / チューブリン / 分子標的 / 天然資源 / リード化合物 |
Research Abstract |
本研究では、広範な天然資源を素材として、アクチンおよびチューブリンを分子標的にしたスクリーニングを行うことにより、これらの蛋白質のの重合・脱重合を阻害する新しい天然分子を見出すとともに、構造活性相関を検討することにより、特異な重合阻害剤や脱重合阻害剤(重合促進剤)を開発し、新しい癌治療薬等のリード化合物としての可能性を検討することを目的として以下の研究を行った。 海洋生物、植物、微生物等の天然物資源を素材として、チューブリンとアクチンに特異的に作用する機能性天然分子を探索した結果、日本産イチイより分離したタキサン系化合物・タキサスピンDに、抗癌剤タキソールと同様の微小管脱重合阻害活性を、ヒユ科ノゲイトウから得られた2環性環状ペプチド・モロイジンならびにセロゲンチン類に、抗癌剤ビンクリスチンに匹敵するチューブリン重合阻害活性を見い出した。また、沖縄産海綿より分離した37員環マクロリド化合物・セオネゾリドAは、ウサギの血小板に対して顕著な形態変化を誘起し、この血小板の形態変化は、微小管の再構成に基づくことが示された。一方、海綿より得られたマクロリド化合物・ハリシガミドに、アクチン脱重合作用を見い出した。さらに、沖縄産の扁形動物ヒラムシから分離した共生渦鞭毛藻より単離したマクロリド化合物・アンフィジノリドHは、哺乳動物細胞内でアクチンのsubdomein4のチロシン残基と共有結合し、アクチンファイバーの安定化を促進することが示された。 今後、天然物由来のバイオプローブの開発、さらにアクチンやチューブリン蛋白との結合部位の特定や、これらの蛋白質のダイナミックな制御機構について検討する予定である。
|
Research Products
(4 results)