2004 Fiscal Year Annual Research Report
赤外領域円二色性スペクトルによるキラル分析法の応用研究
Project/Area Number |
16310144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
門出 健次 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40210207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 信明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 寄附講座教員 (80372267)
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Keywords | VCD / 赤外円二色性 / メチルグリコシドバンド / 結合様式識別 / 酵素モニタリング / オリゴ糖 / 加水分解酵素 |
Research Abstract |
フィッシャー法により、酸素原子の同位体である18Oでラベルしたグルコース類縁体を合成し、α-グリコシドバンドの同位体シフトをIR及びVCDにより詳細に検討した。その結果、新たに発見したα-グリコシドバンドがグリコシドのアキシャル結合とピラン環の振動に由来することが確認できた。更に、類縁体の合成と、そのVCD測定を行い、実験例を増やすことに成功した。また、グルコースについてのVCDの理論計算をグリコシドバンドに注目して行った。かなりの一致のスペクトルを得ることに成功し、グリコシドバンドの理論的裏つけができた。また、各種メチルグリコシド単糖のVCD測定を行い、CH領域を詳細に検討した結果、グリコシドの結合様式がメチル基のCH領域吸収の符号と完全に相関があることを発見できた。これをメチルグリコシドバンドと命名した。 α結合のみの六糖であるマルトヘキソース、β結合のみの六糖であるセロヘキソースを任意に混合し、VCDのα-グリコシドバンドを測定した。バンドの吸収には、定量性があることが確認され、これにより、農作物に対する本バンドの応用の可能性を示せた。一般にオリゴ糖や多糖などの結合様式の識別は簡便な方法が存在せず、本方法論の新たなる展開が期待できる。 グリコシドバンドの応用例とした、糖加水分解酵素のモニタリングを行った。時間とともに、グリコシドバンドの減衰を確認することができ、プローブの導入を必用としない酵素モニタリング法を示すことができた。
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Research Products
(6 results)