2007 Fiscal Year Annual Research Report
赤外領域円二色性スペクトルによるキラル分析法の応用研究
| Project/Area Number |
16310144
|
|---|
| Research Institution | Hokkaido University |
|---|
Principal Investigator |
門出 健次 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40210207)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 信明 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 特任准教授 (80372267)
|
|---|
| Keywords | α-グリコシドバンド / 赤外円二色性 / 脂質 / VCD / 絶対配置 / 芳香族グリコシド / 立体化学 |
|---|
| Research Abstract |
α-グリコシドバンドの確定のため、芳香族モデル化合物の化学合成を行った。特に天然に頻繁にみられる芳香族グリコシドへの適用範囲を広げため、各種フェニル、p-ニトロフェニルグリコシド化合物の合成を行った。また、それぞれの立体異性体(α、β)をクロマトグラフィにより分離し、経験則発見のため、それぞれの化合物のVCDスペクトルを測定、系統的な検討を行った。その結果、メチルグリコシド、二糖には、みられない新たなフェニルグリコシド特有のバンド発見に成功した。また、観測されたVCDシグナルの完全な帰属と理論的経験則の裏づけのために、クロロホルム可溶なモデル化合物の合成を行い、理論計算との比較により、グリコシドバンドの理論的裏づけに成功した。更に、昨年に引き続き、哺乳類に特徴的なシアル酸誘導体の合成を行い、シアル酸の立体化学に関するVCDスペクトル特徴を更に明確とし、学術論文に公表した。
また、理論計算が複雑である脂質、糖脂質類に本VCD法の拡張を試みた。まず、もっとも単純であるグリセロ脂質に着目し、単純なグリセロ脂質を合成した。特に、非天然型の立体配置を有する化合物は、化学合成の利点を生かし、絶対配置明確なサンプルの調整に成功した。予備実験的にVCDの測定を行い、ある種のシグナルが脂質類の立体化学に極めて鋭敏であることを発見した。糖脂質は、細胞膜上の重要な分子因子であるが、キラルな分析に関しては、その方法論が確立していないため遅れている。本VCD法が特殊な紫外-可視領域発色団を必要しないことから、本法が新たな糖脂質のキラル分析法になる可能性が示された。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 化学と生物2007
Author(s)
門出 健次
Total Pages
455-458
Publisher
日本農芸化学会
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
-
