2004 Fiscal Year Annual Research Report
実験国家カナダにおける新たな社会的統合原理・政策展開に関する学際的研究
Project/Area Number |
16310161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新川 敏光 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30216212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 岳彦 立教大学, 経済学部, 教授 (50202875)
櫻田 大造 関西学院大学, 法学部, 教授 (50225851)
藤本 陽子 早稲田大学, 文学部, 教授 (00238619)
細川 道久 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (20209240)
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Keywords | カナダ / 社会的統合・社会統合 / 国民国家・ナショナリズム・帝国 / 福祉国家・社会政策・社会保障 / 連邦主義・連邦制度・地域主義 / 国際研究者交流 / ポスト・コロニアル文学 / 外交政策 |
Research Abstract |
1、本年度(プロジェクト初年度)の研究実施計画では、各分野間の相互理解と共通認識形成を第一の目標に掲げ、頻繁な研究会を予定していた。この目標は、計5回の研究会開催(うち1回は合宿研究会)によって達成された。これらの研究会においては、研究分担者の研究関心と目的について議論した後、各分野から新進気鋭のカナダ研究者たち(柳原克行氏「西部カナダの地域主義とその背景」、藤井慎太郎氏「ケベックとフラーンデレンにおける文化の『国民化』:舞台芸術を例に」、岩崎利彦氏「カナダの医療保障制度について:二層医療制度と処方薬剤価格における最近の動向を中心に」)、あるいは学界で主導的立場にある研究者たち(岩崎美紀子氏「財政連邦主義と憲法連邦主義」、小畑精和氏「ケベック文学とキッチュ」)を招き、報告と討議を通じて各分野の最新の研究課題について相互理解を深めた。 2、このほか、政治体制論の泰斗である欧州大学機構のフィリップ・シュミッター教授の招待講演を実現し、ネオ・コーポラティズム論の今日的意義について討論を行なった。関西・東京の政治学研究者あわせて25名程度が参加し、白熱した討論が展開された。その内容は、カナダの社会的統合原理を考える上で示唆に富むものであった。 3、研究実施計画では、研究会以外にカナダでの現地調査を予定していたが、この目標も達成された。研究分担者の藤本・細川が渡加し、関連の調査・資料収集をおこなった。 4、具体的な研究成果は別表に列挙してあるとおりである。年金改革の国際比較(新川)、地方税財政改革(池上)、イラク戦争への対応外交の国際比較(櫻田)、について編著ないし単著を刊行したのを中心に、福祉国家・外交政策・社会史・財政学など各分野にわたって多くの業績を出した。 5、このほか、実務家への研究成果還元という点では、研究分担者の池上が地方財務協会や財務省財務総合政策研究所の研究会において報告・情報交換などを行った。
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Research Products
(9 results)