2006 Fiscal Year Annual Research Report
カリブ海社会アジア系のエスニシティ再構築:グローバル化とクレオール化
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16310162
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴田 佳子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (30183891)
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Keywords | カリブ海地域 / エスニック・マイノリティ / 中国系 / ディアスポラ / クレオール化 / グローバル化 / ジャマイカ |
Research Abstract |
今年度は引き続き、これまでに蓄積してきた質料整理をしつつ、さらに文献購読や分析を進めた。特に中国系に関しての調査研究については、関係する国内外の研究者との知的交流も積極的に深めていった。さらに教えを受けたり、既発表論文に対してコメントを得たり、かつこちらからも新しい情報提供に努めてきた。カリブ海地域の中国系の研究はほとんど皆無に等しく、また国外でもまだ蓄積がきわめて浅いので、進めている調査研究に対して大きな期待が寄せられてきている。現地の研究への知的貢献、そしてエスニック・コミュニティ自体に資するものであることもすでに認められている。 現地調査としては、多くの新移民の出身地でもある香港、特に新界を中心とした客家文化に対するファーストハンドの知見を得るため、現地訪問して概況調査を実施した。客家の村や博物館などの訪問と情報収集、香港中文大学の客家文化、特に華僑華人研究の第一人者とされる研究者たちとの懇談、図書館での資料収集、現地滞在して研究をしているアメリカ人研究者達とも情報/意見交換し、非常に有益な時をもった。 ジャマイカでの現地調査も続行した。現在急ピッチで進められている中国人墓の再生、ディジタル・マップ化などの現況についても間近で観察しつつ、付随する知見を多く得た。若い新移民が経営するダウンタウンの店舗街の様子や個別店舗の様子をさぐった。また最近特に悪化し頻繁化して非常な不安を喚起している彼らを狙った強盗事件への対処の一環としてもたれた警察や警備保障会社などとの「対話」集会への参加、著名人を含む個別のインタビューなどもさらに進めた。 前年度末に国際学術会議で発表した主に中国系の宗教的側面、その多元的かつ異種混交的側面に注目して分析した論文は出版用に改訂した。今年度予定している学会(国内、国外)での発表準備も始めた。ガイアナとジャマイカの食文化について、2本の論考が出版された。
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Research Products
(2 results)