2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 昌則 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90242081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50188942)
竹内 修一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40345244)
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Keywords | 時間意識 / 近代 / 文学 / 危機 / 直線的時間 / 回帰する時間 / ユートピア / 時間に関するディスクール |
Research Abstract |
文学にあらわれる時間意識は、それぞれの時代がはらむ危機と緊密に結びついている。本研究の目的は、テクストに錯綜した形で書き込まれた時間意識を読み解くことで、変動する時代に生きる人間がそれらの危機にどのように対処したかを探ることである。本年度は、それぞれの時代の時間意識を典型的に表現しているテクストを選び、文献表を作成しながら、様々な角度から読み込むという、最も基本的な作業を中心に行った。その過程で、幾つかの具体的な成果を上げることができた。 1.「東と西-時間をめぐる対話」と題する国際研究集会の開催(東京大学本郷キャンパス、2004年11月20日〜21日) 東西の文学・哲学テクストにあらわれる時間意識を比較することで、時間と表現との関係に関する考察を深めることを狙った。参加者は塩川徹也、山田広昭、エムリック・エルアール、塚本昌則(以上東京大学)、恒川邦夫(一橋大学)、ジャック・レヴィ(明治学院大学)、フランソワ・ジュリアン(パリ第7大学)、レジーヌ・ピエトラ(グルノーブル第2大学)、ウィリアム・マルクス(パリ第8大学)の9名(敬称略)。日本から見た西洋の時間意識と、西洋から見た東洋の時問意識を対峙させることで、近代に固有の、過去から未来に向かう直線的な時間感覚を相対化することができた。 2.異なった専門分野との交流 研究代表者は、「ポール・ヴァレリーと歴史」と題する国際研究集会(クレルモン=フェラン大学、2004年5月13日〜15日)に参加、研究発表を行うと同時に、文学研究と歴史研究の接点について参加者と意見を交換した。また、哲学専攻の榊原哲也氏(東京大学)による、フッサール『内的時間意識の現象学』に関する講演会を開催(東大仏文研究室、2004年9月30日)。他分野との交流を深めた。 最後に、研究分担者だけではなく、新谷淳一(東京大学大学院生)をはじめ、研究補助者の協力も得て文献調査を進めたことを明記したい。
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Research Products
(7 results)