2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 昌則 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90242081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50188942)
竹内 修一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40345244)
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Keywords | 時間意識 / 近代 / 文学 / 危機 / 直線的時間 / 回帰する時間 / ユートピア / 時間に関するディスクール |
Research Abstract |
文学にあらわれる時間意識は、それぞれの時代がはらむ危機と緊密に結びついている。本研究の目的は、テクストに錯綜した形で書き込まれた時間意識を読み解くことで、変動する時代に生きる人間がそれらの危機にどのように対処したかを探ることである。昨年度に引き続き、それぞれの時代の時間意識を典型的に表現しているテクスト選びが作業の中心となったが、同時に新たな比較を試みることで、従来の時間研究とは異なった視座の構築を目指した。具体的には、1.近代文学に見られる<前衛>と<後衛>の二つの流れ、2.近年めざましい発展を遂げているクレオール文学とフランス現代文学の二点について、比較を行った。 1.<前衛>と<後衛>の比較については、シュルレアリスム研究家のジョルジュ・セバーグ(作家)、ヴァレリー研究家のミシェル・ジャルッティ(ソルボンヌ大学)のお二人を招聘し、2005年10月24日、東京大学文学部で講演会を開催した。<前衛>と<後衛>を、それ自体として研究するのではなく、比較の中で考えてゆくという研究スタイルは、今後もさらに展開する予定である。 2.クレオール文学をめぐっては、「クレオールの時間」と題するシンポジウムを、2005年12月3日、東京大学文学部で開催した。カリブ海文学研究の恒川邦夫(一橋大学)、星埜守之(白百合女子大学)、塚本昌則(東京大学)が、クレオール文学とフランス現代文学の比較検討をおこなうと同時に、マグレブ文学研究の澤田直(白百合女子大)、アフリカ文学研究の砂野幸稔(熊本県立大学)に、クレオール文学そのものの広がりと差異を検討してもらった。 また、昨年に引き続き、フッサール哲学専攻の榊原哲也氏(東京大学)の協力をえて、他分野との研究交流も深めた。 最後に、研究分担者だけではなく、昨年パリ大学で博士号を取得したばかりの鈴木雅生、田中琢三をはじめ、研究補助者の協力も得て文献調査を進めたことを明記したい。
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Research Products
(7 results)