2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 克也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30171135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エリス 俊子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90242031)
徳盛 誠 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 講師 (00272469)
劉 岸偉 東京工業大学, 外国語研究教育センター, 教授 (30230874)
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Keywords | 東アジア / 留学 / 対欧米意識 / 詩学 |
Research Abstract |
本年度は、本研究プロジェクト2年目として、昨年度に引き続き資料の収集に努めるとともに、国際シンポジウムを2件企画・実施することで研究の進展を図った。また、研究分担者個人のレベルでの研究の深化を行った。 まず、平成17年7月9日に、韓国外国語大学校との協力のもとに、日本語を使用言語として、日韓学術交流シンポジウム「東アジア文化と留学」を開催した。このシンポジウムにおいて、東アジアの近代化と「対欧米意識」の問題を考える上で、「留学」が極めて大きな要素であることが浮かびあがるとともに、日韓両国の歴史的関係と「相互認識」における、植民地期を中心した朝鮮からの日本留学の意味の重要性と、研究上の未開拓分野の存在が確認された。このシンポジウムでの発表論文は、平成18年中に刊行される。 また、平成17年10月14日には、アメリカのオールド・ドミニオン大学との交流プログラムと連携する形で、「詩学の愉しみPoetics in a New Key」を、英語とフランス語を使用言語として開催した。このシンポジウムでは、日本の文学が、欧米の文学理論の重要な柱を形成してきた「詩学」の枠組とどのように相対峙してきたか、また、対峙しうるものなのかという観点からの盛んな議論か交換された。日本の近代詩や近代演劇、あるいは日本古典の近代における解釈のなかに、理論的枠組みを意識するという形でいかに強烈な「対欧米意識」が機能しているかが明らかになったのである。 このほか、けん研究代表者である菅原は、平成17年11月25日に開催された、韓国比較文学会主催の国際シンポジウムNew Paradigms in Comparative Literatureに基調講演者として招かれ、日本現代文学に描かれた家族の問題を、日本社会の西洋化の文脈と、文学表現における欧米への意識という面から論じた研究発表を行い、全体の討議にも参加した。
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Research Products
(6 results)