2005 Fiscal Year Annual Research Report
複統合性をめぐる北東シベリア・北アメリカ先住民言語の比較研究
Project/Area Number |
16320050
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
呉人 徳司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (40302898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (70334448)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50243374)
呉人 恵 富山大学, 人文学部, 教授 (90223106)
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Keywords | モンゴル語 / チュクチ語 / コリャーク語 / ヌートカ語 / ナーナイ語 / ソロン語 / 民話 / 複統合的語 |
Research Abstract |
今年度は研究計画に沿って、代表者と研究分担者がそれぞれロシア、中国、カナダ、アメリカなどに出かけ、現地調査を行ない、さまざまなデータを収集した。そして、多くのデータを持ち帰り、整理・分析を行なった。さらにデータを活用して、数編の論文を執筆し、民話集を編集したほか、国内と海外の学会で研究発表を行なった。メンバーのそれぞれの研究の詳しい内容は以下の通りです。 研究代表の代表呉人徳司は2005年の6月にロシアに行き、3週間にわたり、チュクチ語の現地調査を行ない、主に辞書編集のために多くの語彙と文例を収集した。研究分担者の中山俊秀は、ヌートカ語に関して、複統合的語形成のテキスト資料の中での分布と機能に関する研究を重点的に進めた。研究成果として、呉人徳司と中山俊秀は2005年6月12日に国際基督教大学で開かれた日本言語学会第130回大会のフォーラム「抱合と複統合性-フィールドからみえてくる言語の多様性」で、それぞれチュクチ語の抱合とヌートカ語の語彙的接辞について研究発表を行なった。同年の6月23日にロシアのトムスク教育大学で開かれたシベリアの先住民諸言語に関する国際学会で、呉人徳司は「チュクチ語の複統合性について」という題目で(英語で)発表した。研究分担者の中山俊秀は、8月にカナダに行き、4週間にわたりブリテッシュコロンビア州で現地調査を行い、テキスト資料の収集を行った。また、2006年1月にはアメリカ言語学会に参加し、特に北米先住民語研究者たちと北米諸言語での複統合性の問題について情報および意見の交換を行った。研究分担者の風間伸次郎は、中国、ロシアに行き、シベ語、ナーナイ語などツングース諸語の現地調査を行なった成果として1冊の民話集を出版した。中山俊秀と風間伸次郎の二人の民話テキストが『環北太平洋の言語』第13号に集録されている。また、研究分担者の呉人恵は2005年の12月から2006年の1月にかけて、ロシアに行き、コリャークの植物名、トナカイ牧畜に関する民族語彙を多く集め、辞書作りを進めた。またコリャークの民話集を一冊出版し、現地の学校などに配分したが、この民話集が現地の学校の教科書の補助テキストとして使われるよていである。
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Research Products
(7 results)