2006 Fiscal Year Annual Research Report
複統合性をめぐる北東シベリア・北アメリカ先住民言語の比較研究
Project/Area Number |
16320050
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
呉人 徳司 東京外国語大学, アジアアフリカ言語文化研究所, 助教授 (40302898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジアアフリカ言語文化研究所, 助教授 (70334448)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50243374)
呉人 恵 富山大学, 人文学部, 教授 (90223106)
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Keywords | 複統語性 / 北東シベシア / 北アメリカ / 先住民言語 / 類型論 / 形態論 |
Research Abstract |
今年度は、ほぼ当初の計画通り、4人のメンバーがそれぞれの調査地域で、データを収集し、整理・分析を行ない、辞書、民俗語彙集の編集を進め、形態論に関する記述論文の執筆し、研究をさらに進めた。具体的には以下のような研究実績が得られた。 1)トピックで分類した『Chukchi-English-French-Russian Dictionary』の補足例文を多く収集、編集の作業が一段と進んだ。この辞典は平成19年度中に出版される予定で、今最後の編集作業を行っている。この辞典は800ページを超える大きな辞書になり、今後のチュクチ語の研究、チュクチ語の学校教育に大きな役割を果たすものと期待されている。 2)コリヤークに関する民俗語彙の整理分析を行ない、収集してきた民俗語彙のうち、特に衣食住にかかわる民俗語彙の分析と、協力者に対する調査により新たな知見をえることができた。その成果が「コリヤークの家畜トナカイ分類システムの言語人類学的分析」と刊行物に収められた。コリヤークのトナカイ遊牧文化を理解するのに、大変価値ある研究成果である。 3)形態論に関する論文を執筆し、これまでの研究の曖昧な点、不十分な部分が指摘した。例えば、ツングース諸語のうち、ウデヘ語に見られる複数を示す数種類の接辞の用法、使い分けまた、ナーナイ語の形動詞の形容詞的用法を明らかにすることができた。また、シベリア地域に分布するモンゴル語のブリヤード方言などの使役の接辞が受身の意味で用いられる特徴を指摘し、使役と受身の関係を明らかにし、ヴァイスに関する一般言語学の研究にも貢献することができた。 4)北アメリカ北西海岸の先住民言語、シベリアの古アジア諸語(Paleoasian languages)先住民言語の現状、今後の課題などについて発表された論文は先行研究の問題点、今後の研究の方向性をしっかり示すことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Paleosiberian2007
Author(s)
KUREBITO, Megumi
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Journal Title
In Osahito Miyaoka, et. al. (eds.), The Vanishing Languages of the Pacific Rim. Oxford : Oxford University Press.
Pages: 393-396
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