2005 Fiscal Year Annual Research Report
言語使用と文法規則との相互作用に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
16320053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田窪 行則 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10154957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金水 敏 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70153260)
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Keywords | モーダル述語 / evidential modality / bilingualism / epistemic modality / 前に / ないうちに / 池間島方言 / root modality |
Research Abstract |
本研究は言語表現の形成にかかわる規則性(狭い意味での文法規則)と非言語的な文脈に言及する言語使用規則との相互関係を明らかにし、これらを統合する言語理論構築の基礎とすることを目的とする。本年度は、平成17年8月に京都大学で海外研究協力者(アルバータ大学大野剛、カリフォルニア大学岩崎勝一、およびコーネル大学白井恭弘の各氏)と打ち合わせを行い、話し言葉と書き言葉の形成にかかわる研究をワークショップ形式で行った。そのあと昨年度に引きつづき、大野、岩崎両氏と自然対話データのtranscriptionに関する情報交換を行い、学生の訓練も行った。また、1月には沖縄県平良市池間島の方言を本研究課題の観点から、二重言語使用、統語論と語用論のインターフェイスなどに関して調査し、記述した。このときに収集した音声対話データはファイルの形に整理され、CD10枚程度の資料となった。そのうち7割程度のものについては対話参加者の利用承諾書を得た。池間島の方言の調査は来年度も続ける。 本年度、発表した研究のうち主なものは次のとおり。(1)昨年度行ったモーダル述語、特に認識的モダリティ(epistemic modality)と証拠性モダリティ(evidential modality)の推論の方向性に関する一連の研究を、韓国延世大学で開かれた第9回国際認知言語学会、米国ウィスコンシン大学で開かれた第15回日本語韓国語言語学会議で発表した(田窪)。 (2)日本語の「前に」と「ないうちに」の違いをKrazterのモーダル意味論の枠組みで説明した論文を同じく第15回日本語韓国語言語学会議で発表した(田窪)。
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Research Products
(5 results)