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2004 Fiscal Year Annual Research Report

焦点表現の獲得と統語・意味のインターフェイス

Research Project

Project/Area Number 16320062
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

松岡 和美  慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (30327671)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 星 浩司  慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (50286605)
三好 暢博  旭川医科大学, 医学部, 講師 (30344633)
KeywordsFocus / Association with Focus / Focus Particles / dake / Acquisition / parameter / mo / subject / object asymmetry
Research Abstract

本研究の目的は、焦点化に関する文法知識およびその知識の獲得のメカニズムを明らかにすることで、統語・意味のインターフェイスの言語理論の深化及び発展に寄与することである。この目的を達成するために、本研究は、Association with Focus(AWS)の本質の解明を具体的目標としている。初年度である本年度は、次年度以降の研究の基盤を形成すべく進められた。
獲得研究では、Matsuoka(2003)における日本語の取立て助詞「も」の研究を発展させ、2004年8月(札幌)及び2005年2月にのべ約60名の園児を対象として「だけ」と「も」に関するパイロットを行った。このパイロットにおいて以下3点が観察された。1)英語やスペイン語と同様、日本語を母国語とする子供もAWSに課される統語的制約を無視する傾向が特に5歳児以下で顕著であった。2)非常に一般的傾向として「も」より「だけ」のほうが獲得時期は早い。3)「も」、「だけ」、いずれの獲得にも、主語と目的語で非対称性が見られ、主語に付加した取立て助詞の獲得のほうが早い。この観察は、Endo(2002)の観察とは異なる事実を発見したことになる。本研究と同種の主語/目的語の非対称性がLeft Branch Conditionの獲得研究でも報告されており(Yamane 1998, 1999)、第三点目の観察とこのような報告との関係について留意しながら、研究を進める予定である。
理論研究では、AWSの解釈の決定には、原子的な統語関係が成立していなければならないという立場を採用した。そして、「も」は自らの当該の焦点を指定部にとる機能投射の主要部であり、派生を通じて当該の焦点と構成素をなすことはないが、「だけ」は、基底での当該の焦点との併合が可能であるという仮説を提示した。その上で、この仮説から「も」、「だけ」の分布の差、特に格助詞との共起性、「も」と「だけ」の獲得時期が異なること予測できることを示した。さらに、この仮説から機能範疇の透明性に関して言語間に違いが存在するという予測を立て得ることが明らかになった。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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