2005 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット・文字音声言語統合型日本語教育システムの地球規模の運用実験と評価
Project/Area Number |
16320063
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
三輪 譲二 岩手大学, 工学部, 助教授 (60125664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今石 元久 県立広島女子大学, 国際文化学部, 教授 (80093574)
佐藤 滋 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (40137592)
川村 よし子 東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 教授 (40214704)
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Keywords | e-Learning / 日本語教育 / 日本留学試験 / 文章読解 / 音声聴解 / 発音評価 / 地球規模 / インターネット |
Research Abstract |
本研究では、いつでも、どこでも、だれにでも、手軽に利用可能なインターネット・文字音声言語統合型日本語教育システムを、iCampus(Integrated Campus using Advanced Multimedia Processing in a Ubiquitous Society)と名づけ、Java情報技術を統合して独自に開発し、Webでの地球規模の運用実験を行い、システムの評価を行っている。 このiCampusシステムでは、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)、著者、出版社の著作権使用許諾を得て、日本留学試験の日本語(読解、聴解、聴読解)の模擬試験を、インターネット上で無料公開している。この結果、即時に成績を評価でき、また、データベースで成績管理をしたことで、学習履歴や不得意な学習項目を、容易に知ることができ、文字・音声言語を統合した日本語教育に役立てることができた。なお、今後、学習者により使いやすくし、教材をさらに増やす必要がある。 また、このiCampusシステムの日本留学試験の成績閲覧のページと、共同研究者の東京国際大学の川村よし子教授が開発されたリーディングチュー太(http://language.tiu.ac.jp)を直接結びつけ、テキストのカット・アンド・ペースト無しに利用することができるようになり、単語辞書を即座に検索でき、日本語文字言語学習の利便性が格段に向上した。そのほか、ビデオ教材の部分視聴機能やチャットなどによる協調学習機能を拡充した。 さらに、発音評価においては、今年度、発声速度に依存しない連続音声中の特殊拍のスコア算出法を独自に開発した。特に、文節末の発音は発声速度が乱れるため、新規の発声速度正規化法を開発した。さらに、従来は単文音声であったが、隠れマルコフモデル音声認識法を利用することにより、複数文音声の特殊拍に発音評価に対応できた。この方法を、中国、韓国、タイの合計29人の男女性の音声により評価した結果、非常に良好な結果が得られた。なお、Web型発音評価として、Javaアプレットを用いた高度音声入力インタフェースは、学習者に優しいシステムであるので、次年度以降さらに改善して、地球規模の運用実験を実施していく必要がある。 なお、共同研究者の県立広島女子大学の今石元久教授の編集により今年度発行した著書「音声研究入門」には、パソコン音声分析ソフトがCD-ROMとして付属しており、文字と音声言語を統合して日本語教育研究に役立てることができるようになった。特に、この音声分析ソフトの付属により、音声研究への壁が低くなったと考えられる。 iCampusシステムの一部の機能は、http://icampusj.netのURLで研究成果として、世界中に無料で公開中である。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 音声研究入門2005
Author(s)
今石 元久編
Total Pages
155
Publisher
和泉書院
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より