2005 Fiscal Year Annual Research Report
教室参加者の共同構築的情報インデックスを付した日本語授業コーパスのための調査研究
Project/Area Number |
16320065
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
村岡 英裕 千葉大学, 文学部, 教授 (30271034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 文 千葉大学, 国際開発教育センター, 助教授 (10261885)
山下 早代子 東京医科歯科大学, 留学生センター, 教授 (90220334)
西村 よしみ 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (40208228)
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Keywords | 日本語授業 / コーパス / 共同構築 / 教室談話 / 教授ストラテジー / 教師の実践知 / 教室参加 / 第2言語習得 |
Research Abstract |
本研究では、第三者への公開を前提とする日本語授業コーパスの作成を目的とし、日本語教育における実証的な教室内相互作用および教室内習得の研究の基礎資料を提供し、新たな教授者能力の研修に具体的に貢献することを目指すものである。具体的には授業データを収集し、(1)教室の談話構造、(2)授業を相互構築するために使用する教師および学習者のコミュニケーション・リソース、(3)一部学習者の教室内学習プロセス、(4)教室の多文化接触場面管理、の分析を行う。最終年には授業の文字化資料(一部は映像、録音資料も付け加える)に共同構築的な情報インデックスを付した授業コーパスを作成し、DVDおよびWebにより公開を行う。 2年目にあたる本年度(17年度)の活動を4種類の活動に分類して報告する。 (1)昨年度のハンガリー調査に引き続いて、主に研究分担者および研究協力者の関係する日本語教育機関においてデータ収集を実施した。実施協力機関別に挙げると、東京医科歯科大学留学生センター初級クラス、千葉大学国際開発教育センター初級・中級クラス、国士舘大学政経学部日本語上級クラス、神田外語大学留学生別科上級クラス、日本文化言語学院上級クラス、インド・ヴィスワバラティ大学初級・上級クラス、台湾東海大学関係の老人養護上級クラス、中国湖南大学日本語中級クラスとなる。 (2)上記の授業データはビデオ・テープおよびmp3音声ファイルである。データの保管と研究作業のために、ビデオ・テープのダビングを行うとともに、Quick Timeに圧縮して保存する作業を行った。 (3)昨年度と同様、研究会を実施し、教室内インターアクションの共同構築的特徴について検討を加えた。実施の日程は、第1回研究会(平成17年9月17日)、第2回研究会(平成17年11月29日)、第3回研究会(平成17年12月23日)、第4回研究会(平成18年2月24日)となる。 (4)授業データを分析するための1つのアプローチとして会話分析による授業分析について公開の特別講演会を11月29日に東京医科歯科大学にて実施した。講師として来日中の語用論研究の第1人者であるGabriele Kasper氏(ハワイ大学教授)、そして日本の会話分析の第1人者である西坂仰氏(明治学院大学教授)にお願いした。 以上、本年度は実際に授業データを収集し、調査用にデータを加工することに集中したが、その経過で見えてきた共同構築的な授業の特徴について中間報告を行うべく、平成18年8月にアメリカ・ニューヨーク・コロンビア大学で行われる日本語教育国際研究大会にパネル発表の応募をし、採用された。 来年度は、パネル発表の準備を行いながら、具体的なコーパス作成に必要な理論的枠組みと技術的問題を検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)