2007 Fiscal Year Annual Research Report
教室参加者の共同構築的情報インデックスを付した日本語授業コーパスのための調査研究
Project/Area Number |
16320065
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
村岡 英裕 Chiba University, 文学部, 教授 (30271034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 文 千葉大学, 国際教育センター, 准教授 (10261885)
山下 早代子 東京医科歯科大学, 留学生センター, 教授 (90220334)
西村 よしみ 筑波大学, 文芸言語学系, 教授 (40208228)
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Keywords | 日本語教育 / 授業ディスコース / 共同構築 / コーパス / 教授者の実践知 |
Research Abstract |
本年度は4年間の研究プロジェクトとして行われてきた調査の最終年であった。4年間で日本国内外8機関72授業について(1)録音、録画,(2)一部,教授者並びに学習者へのインタビューの実施,(3)暫定文字化規則による授業ファイル20本の文字化資料の作成,(4)最終版文字化規則による授業ファイル18本の文字化資料の作成を行った。 特に本年度は(4)の作業を中心にして,さらにコーパスとしての整合性,統一性をつけるためのファイル・ラベルの付け方の検討とそれにもとづくファイル整備を行った。また,研究分担者,研究協力者に依頼して共同構築的情報がコーパス上でどのような言語行動に見つけられるかについて検討を加え,事例研究を行った。日本語授業の参加者による共同構築には,呼称,発話の向かう相手とそのシフト,発話の言い換え,周辺言語的情報(特に抑揚と強勢),笑いやジェスチャーなどの非言語行動,などのコミュニケーション上の要素が強く働いていることが示唆された。その成果は,中間報告として,2つの学会でのパネルセッション,2本の個人発表,そしてその他のワークショップ等でも積極的に発表が行われ,聴衆からのフィードバックの機会を持った。とくに本研究では,共同構築性を特定の理論や主張に偏ることなく,授業を成立させている相互的な参加の様態として,どのような立場の研究者や教授者にも役立つことを目的にしており,多くの研究者から支持を得られたと考える。 一方で,コーパス自体については技術的な課題が山積し,4年間ではすべてのデータを公開するに至らなかった。しかし公開の条件や倫理規定などについても考察したことは意義が深いと思われる。
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Research Products
(4 results)