2005 Fiscal Year Annual Research Report
音声英語コミュニケーションにおける相互作用研究-伝達能力とストラテジーの関係
Project/Area Number |
16320072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 秀夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 豊 東京国際大学, 商学部, 助教授 (30306245)
藤尾 美佐 東京富士大学, 経営学部, 助教授 (20350712)
東矢 光代 琉球大学, 法文学部, 助教授 (00295289)
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Keywords | ストラテジー / 実践的コミュニケーション能力 / リスニング / 音変化 / 文脈 / ディクテーション / 習熟度 / インタラクション |
Research Abstract |
本研究の第2年目(完成年度)として、岡、山内、藤尾の3名に加えて、新しく東矢(琉球大学)の参加を得、とくに聴解と伝達方略の両分野のデータを総合的に分析する役割を担当してもらった。リスニングの分野では、音変化(脱落)の理解が文脈情報によって、どのくらい促進されるのかを実証的に調査した。コミュニケーション・ストラテジー(CS)の分野では、インタラクションにおけるCSを被験者ごとに分類し、CSの発達過程を調べ、コミュニケーションを成功させるCSを分析した。 主な結果は、次の3点にまとめることができる。(1)cohortモデルに関して、外国語としての英語リスニングで検証した結果、音変化による未知の語句を含むリスニングでは、文脈情報は候補の絞り込みだけではなく、候補語を想起するのを支援すること、および英語習熟度が低い学習者ほど候補を想起するのに多くの文脈情報を必要とすることが明らかになった。(2)ディクテーションおよびリスニングテスト、語彙テストのデータをもとに、異なる習熟度の学習者がどのような問題点を抱えているかを分析したところ、英文中の内容語に対する語彙知識がディクテーションの結果を左右し、下位者では語彙知識の不足の上に、機能語の語句認識も低いという結果が得られた。(3)相手の理解を促し潜在的な問題を防ぐという新しい視点から、自然な発話データをもとにコミュニケーション・ストラテジー(CS)を特定、分析した。その結果、対話者の背景知識をチェックするCSと、その背景知識を前景化するためのCS(例証、対照など)が、対話者の理解を促進する上でとりわけ効果的であることが実証された。 これらの結果をもとに、共同論文として"How do strategies work in L2 communication?"の形でひとつにまとめ、国際学会ALAAで口頭発表し、その学会誌に論文を投稿した。 また、本研究課題と密接に関連して、F.Schimek(オーストリア、ウィーン市教育庁)とM.Park(韓国、釜慶大学校)を招き、講演会を開いた。これらの講演会には科研のメンバーのみならず多数の参加があり、それぞれに先進的な話を聞き活発な議論を行い,本科研の推進に大いに役立った
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Research Products
(7 results)