2004 Fiscal Year Annual Research Report
項目応答理論・差異項目機能分析を用いた英語文法能力発達過程の研究
Project/Area Number |
16320078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
山川 健一 安田女子大学, 文学部, 助教授 (00279077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 美知子 早稲田大学, 教育学部, 教授 (70148229)
大場 浩正 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10265069)
杉野 直樹 立命館大学, 情報理工学部, 助教授 (30235890)
清水 裕子 立命館大学, 経済学部, 教授 (60216108)
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Keywords | 日本人英語学習者 / 英語文法能力 / 非対格動詞 / 非能格動詞 / 与格交替 / 受動態 / 英語文法標準テスト / Competition Model |
Research Abstract |
平成16年度の研究活動としては、前回の科学研究費助成研究で対象としていた文法項目に加え、使役交替文、時制、疑問文、心理動詞を新たに加え、これらの理論的背景を整理し、調査可能性について検討した。そしてこれらの文法項目の発達状況を調べるための「文法性判断テスト」に用いる問題の作成に着手した。また、「英語文法標準テスト」の問題項目カテゴリーの選定と難易度について検討して問題を分担作成し、パイロット・テストを実施した。これらのテストの作成・問題管理のためにサーバ構築を行った。 研究実績(学会発表)としては、前回の科学研究費助成研究で明らかにした未発表の内容を検討し、The 9th Conference of Pan-Pacific Association of Applied Linguistics (Namseoul University, Korea)で研究発表とポスター発表を行った。研究発表では、235名の日本人大学生英語学習者を対象にして、与格交替の習得に関する調査実験を行った。被験者は、意味上の主語に関する文法テストと与格交替に関する文法性判断テストを与えられた。その結果、意味処理・統語処理という特徴が、文法性判断テストに影響を及ぼしているということが報告された。次に、ポスター発表では、日本人大学生英語学習者を対象にして、与格交替に関する文法性判断テストと非対格・非能格動詞に関する文法性判断テストを与え、その結果について分析した。結果は、語彙機能文法(Lexical Functional Grammar (LFG))の観点から統一的な説明が提供された。 加えて、第30回全国英語教育学会で研究発表を行った。ここでは、差異項目機能分析の第二言語習得研究への応用可能性について議論した。次に、2004年度第1回JACET中国四国支部研究会で研究発表を行った。この発表内容については、次段落の『大学英語教育学会中国・四国支部研究紀要』に掲載された。 次に、研究実績(論文)としては、前回の科学研究費助成研究の内容で未発表のものについて、Proceedings of the 8th Conference of Pan-Pacific Association of Applied Linguisticsと『大学英語教育学会中国・四国支部研究紀要』に発表した。前者の論文では、英語の与格交替を示す様々な型の文とそれらを受動化した文の、日本人大学生による習得状況について実験を行った。その結果、これらの文の習得状況は、語彙機能文法の観点から説明可能であるという報告がなされた。また、後者の論文では、日本人大学生英語学習者の非対格動詞と非能格動詞の習得について、先行研究における仮説を批判的に検討して実験を行い、これらの動詞の習得過程について3つの異なる習得段階の存在を指摘した。
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Research Products
(2 results)