2004 Fiscal Year Annual Research Report
社会的結合についてのアジア比較史的研究-文化摩擦の歴史構造的要因-
Project/Area Number |
16320079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安田 浩 千葉大学, 文学部, 教授 (40114219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博信 千葉大学, 文学部, 教授 (60134342)
菅原 憲二 千葉大学, 文学部, 教授 (00162850)
三宅 明正 千葉大学, 文学部, 教授 (30174139)
趙 景達 千葉大学, 文学部, 教授 (70188499)
山田 賢 千葉大学, 文学部, 教授 (90230482)
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Keywords | 社会的結合 / アジア / 歴史 / 戦争と社会 / ボーダレルス化 / グローバル化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アジアにあって社会的結合のあり方がどのように違うのかを比較史的に考察することによって、ボーダレス化・グローバル化が進展する現況への対応の資とすることにある。研究の初年度に当たる2004年度は、何よりも現地調査が必要とされたため、研究分担者とともに韓国と台湾の調査に当たり、また研究分担者の一人はミャンマーの調査に当たった。家族や友人関係を含めた社会の結合原理は、一見似ていながらも、明確な違いを持っていることが確認された。とりわけ韓国・台湾の場合は、日本と同様に都市化が進展しているにもかかわらず、その結合のあり方は違いを見せており、それは歴史的に規定された結合原理が違うからだと判断するしかない。 このような現地調査の成果を踏まえつつ、3度の研究会を開き、互いの問題関心を披瀝し討論した。具体的には朝鮮・中国・ミャンマーの事例について報告がなされ、日本との比較が行われた。また、戦争によって社会の結合のあり方がいかに変動を被るかという観点から、「戦争の時代と社会」と題したシンポジウムを11月12日に開催した。このシンポジウムは研究分担者以外の研究者の協力も仰いだものであり、日露戦争、15年戦争、現代の戦争について6本の報告を受けたあと、全体的な討論を行った。このシンポジウムの成果は来年度中の出版を期している。 本年度は文献史料の収集にも力を入れる年であったが、日本史の分野を始め、朝鮮、中国、イスラムなどの1次史料ないし研究文献の収集に努めた。すでにそうした史料・文献に基づい研究も、日本史と朝鮮史の分野から出される予定となっている。
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