横井小楠の遺稿および関係資料の書誌的研究

2006 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16320087
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 猪飼 隆明 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00109620)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森藤 一史 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (10110793) ; 沖田 行司 同志社大学, 文学部, 教授 (20131287) ; 吉村 豊雄 熊本大学, 文学部, 教授 (90182823) ; 三澤 純 熊本大学, 文学部, 助教授 (80304385) ; 野口 宗親 熊本大学, 教育学部, 教授 (80004076)
• Keywords: 横井小楠 / 肥後藩 / 松平春嶽 / 福井藩 / 立憲思想 / 明治維新 / 徴士 / 暗殺

Research Abstract

今年度の成果をまとめれば次のようになる。
1 研究代表者猪飼のもとで、一昨年度・昨年度に引き続いて、横井和子氏提供の横井小楠関係資料の整理および解読作業を行った。予定していた450点について、全体として粗読みをし終えた。
2 山崎正董編『横井小楠遺稿』の校訂作業についても、熊本において引き続き検討を重ね、重要な問題点の整理についてはおおむね終えることが出来た。
3 横井小楠の講義録について、これについては東京において、検討会を重ね、一通りの検討は終えることが出来た。
4 資料の収集について、今年度は、熊本大学附属図書館寄託永青文庫、福岡県立九州歴史資料館柳川古文書館、福井市立郷土歴史資料館所蔵の資料中に、横井小楠関係の資料の有無を調べた。このなかで、小楠の評価にかかわる資料の収集に成功したが、思いもかけないところから史料が発見された。肥後国玉名郡の木下助之関係資料から、小楠自筆の書簡5点が偶然発見され、しかも小楠の海外に関する知識にかかわる先行研究にさいこうをうながすしりょうであることが明確になった。
5 なお、古書店における競売の際、明らかに小楠の書簡と思われるものが、数点あるいはそれ以上市場に出回ったことを目録上で確認したが、入手し得ず、しかし、その存在が明らかになったことは、それも成果のうちである。
以上、横井小楠全集の刊行に向けての基礎的研究として、すでに刊行されているものについて、原文書に基づいて考証を行うこと、新しい資料の収集およびその整理を行うことを目的として、研究を行って生きた。全集刊行には、まだ隠れている資料の収集を行うこと、さらに充分な研究と作業が必要であるが、本研究に掲げた研究課題についてはとりあえず終了することができた。