2007 Fiscal Year Annual Research Report
コロニアル都市・青島の形成と文化多重性に関する総合研究
Project/Area Number |
16320097
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 紀子 Kobe University, 人文学研究科, 教授 (50241154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津留 厚 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10176943)
佐々木 衛 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (60136398)
緒形 康 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (40194427)
奥村 弘 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (60185551)
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Keywords | 青島 / 海港都市 / ドイツ植民地経営 / コロニアル都市 / 青島屠獣場 / 広東商人 |
Research Abstract |
平成19年度は最終年度であるため、研究成果の発表と報告書の作成に努めた。 すなわち、12月5日〜7日、中山大学が広州で開催した『国際シンポジウム・東アジア海港都市の文化発展』において森紀子は「山東開港と広東人」、大津留厚は「トリエステ、神戸、海港都市学」、緒形康は「厳復と籌安会問題再考」、奥村弘は「開港場神戸からみた「清国人」認識」と題してそれぞれ口頭発表を行った。これらは、青島をはじめとする諸海港都市を比較研究する中で、広く海港都市学というアプローチが可能であるのか、その方法論を追求しようとしたものである。 青島研究に関しても、本プロジェクトでは、これまでドイツが建造した近代的港湾施設、屠獣場などに注目して、そこに展開された交易関係、文化状況の国際性、多重性、あるいはそれらに対する中国側のリアクション、文化摩擦について考察してきた。しかし「山東開港と広東人」においては、青島が形成されるその前史としての山東半島の経済状況、交易関係に着目して、半島を取り巻く無数の民港と民船による在来型の沿海交易、そこに活躍した広東商人の存在がコロニアル都市・青島を形成する大きな原動力として働いていたことを確認した。数千人規模のドイツ軍人による軍事拠点としての青島経営は、畢竟、それをとりまき、下支えした中国商人、中国労働者の流入と働きとの上に成り立ったものであり、植民都市とは移民都市の実態を併せ持つものであったのである。
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Research Products
(6 results)