2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320113
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
松本 博之 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70116979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸祭 由美夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60032322)
相馬 秀廣 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90196999)
出田 和久 奈良女子大学, 文学部, 教授 (40128335)
内田 忠賢 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (00213439)
高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60273827)
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Keywords | 自然景観 / 文化景観 / 実践的景観 / 歴史文化遺産 / 景観保全 / 景観デザイン / 地域貢献 / 奈良盆地 |
Research Abstract |
奈良盆地における景観の再評価を目指し,自然景観や人文景観の個別事象毎の特徴を通時的に明らかにするために、時代間の比較や発達史的な検討を加え、成果のとりまとめを行った.具体的内容のいくつかは、以下めとおりである。 高田は、奈良盆地束縁を限る活断層を取り上げ、その地形的景観にみられる特徴や、活断層の認定にかかわる崖の形成過程に関して、基礎的な視点をまとめた。また,奈良盆地西部の馬見丘陵に位置する旧石器〜縄文遺跡である馬見二ノ谷遺跡の発掘調査に関連して、遺跡立地と遺跡にかかわる古環境について、景観を含めた広い視野から検討を加えた。相馬は、人工衛星画像を用いて,空中写真に比べてはるかに小規模なスケールから,奈良盆地全体および周辺地域の景観を三次元的に再構成し,斜め上空から検討し,従来からそれなりに指摘されていた点に加えて,明日香地域が,吉野川と初瀬川をつなぐ南西一北東方向の構造谷のほぼ中央部に位置することなども明らかにしている。 出田は,奈良盆地における古代の代表的な人文景観である計画道路の上ツ道・中ツ道・下ツ道・横大路,あるいは条里や条坊,さらには盆地という地域の特性とも関連した山々,河川といった自然景観が,実際当時の人々にどのようにとらえられていたのかを,『万葉集』を手がかりとして検討するという新たな切り口を拓いた。 戸祭は、近世の奈良盆地の景観を形づくっていた天理市柳本町にあった柳本陣屋とその周辺地域の土地利用の変化を追った。吉田は第二次大戦後、朝鮮戦争の最中において、奈良市内に出現した「奈良RRセンター(Rest and Recuperation Centerアメリカ兵の休息レクレーションセンター)」に焦点を当て,「大和タイムス」の記事を資料として復元研究し,景観研究の可能性を広げている。 松本は,奈良女子大学生の空間的な日常生活を素材として,学生たちのとらえる「奈良」の景観や場所へのまなざし、および感覚世界にあらわれる奈良の景観(環境)を浮かび上がらせた。帯谷は、明日香村における歴史的環境(景観)の保全に関わる地域住民の意識と生活実態を探った。 上記の他にも、関連するいくつかの成果を取りまとめ,最終報告書を作成した.
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Research Products
(6 results)