Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 公典 慶應義塾大学, 大学院・法務研究科, 教授 (50135927)
長谷部 恭男 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80126143)
安西 文雄 立教大学, 法学部, 教授 (90222356)
鈴木 秀美 大阪大学, 大学院・高等司法研究科, 教授 (50247475)
橋本 博之 立教大学, 法学部, 教授 (80172873)
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Research Abstract |
本研究組織は,初年度に当たる今年度に,本研究組織メンバー全員の共同執筆になる舟田・長谷部恭男編『放送制度の現代的展開』の改訂版,あるいは全く新規の出版のための共同研究を進め,共同討議を経た原稿を作成する作業を行ってきた。これは来年度に,原稿を作成し,出版する運びになっている。 内容としては,放送のデジタル化,通信(特にインターネット)の発展と放送の関係の深化などの進展にともなって,各種の実態上の変化・問題点,および制度・政策における重点を洗い出しつつある。 インターネットによる放送済みの番組配信サービスについては,著作権法上,個別の求めに応じて送信する場合は、電気通信であって、「自動公衆通信」に当たる。これに対し,64QAM(直交振幅変調)方式をとる場合は,同法上の「有線放送」に当たり、従来のケーブル事業者と全く同様に放送としての特別扱いが許されている。後者であれば,音楽に含まれる「実演家」(歌手、演奏家)や「レコード製作者」の持つ権利は報酬請求権だけであるので、事前に処理を必要としないが,後者であれば,事前の許諾が必要であり,この点がネックとなっている。したがって,番組制作の最初からインターネット配信が採算取れる番組である場合は別として,放送番組の二次利用は著作権法上の障害によって期待できない。 また,本年度は放送・通信における「個人情報の保護」が,総務省ガイドラインの策定によって大きく進むことになった。個人情報保護法の施行される4月以降の状況も注視することとしたい。 その他,本研究組織のメンバーの数人は,総務省の研究会等において,NHK,民放事業者,番組製作事業者(いわゆる番組プロダクション)や番組製作の一部だけを請け負う事業者,あるいはプラットフォーム事業者からのヒアリングを聞く機会を得た。また,本研究組織では,当初,本研究期間において海外調査も実施することにしていたが,実現には至らなかった。しかし,放送・通信につての諸外国との比較研究は,上記ヒアリングや文献調査によって進めている。
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